自動車登記の最適化で利便性向上、市場活性化を図る

(中国)

北京発

2023年08月17日

中国公安部は8月14日、「自動車登記サービスの最適化に係る新たな措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。これは、8月3日に発表の「公安機関サービスの質の高い発展を保障する若干の措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で言及した「自動車消費のさらなる促進」を重要な措置の1つに位置付け、施策を具体化し、プロセスの最適化を目指すものだ。具体的には次のとおり。

  1. 新車登記手続きを簡素化し、ナンバープレート発行のワンストップ化を促進。中国内完成車メーカーが生産した車両の登記手続きに対する事前検査の試行対象を31都市の29企業から36都市の33企業(添付資料表参照)に拡大し、新車出荷前検査を実施する。当該検査を経た車両については、購入者の行うナンバープレートの取得手続きが簡素化される。手続きに係る所要時間が短縮されるほか、オンラインなど新しい自動車販売形態に対応することができ、自動車消費をより促進する。また、銀行など金融機関に自動車登記サービス窓口を設置することを支援し、カーローンや担保登記のワンストップの手続きを促進する。
  2. 中古車移転登記の利便性向上と中古車取引を促進。中古車の省や市をまたぐ取引制限の解除や、「一証通弁」による中古車移転登記の手続き円滑化を進める。二輪車に関しても「一証通弁」を活用し、登記や移転、居住地変更などの手続きの簡素化を進める。
  3. 中古車輸出の異地登記を推進し、中古車輸出の発展を促進する。中古車輸出企業が企業所在の省以外の他地域で車両を取得する場合、企業所在地での登記抹消申請を認め、省をまたいだ交通管理行政を推進する。中古車取引発票(領収書)の発行条件を備えた中古車輸出企業に対し、自動車登記サービスステーションの設立を支援し、ワンストップ登録を促進する。コストを軽減して利便性を向上することで、中古車輸出活性化のための良好な環境を整備する。

国家発展改革委員会などは7月に「自動車の消費促進に関する若干の措置」を発表し、自動車購入管理政策の最適化や中古車市場育成などを掲げていた(2023年8月3日記事参照)。中国自動車工業協会(CAAM)が8月10日に発表した7月の自動車販売台数は、前年同月比1.4%減の238万7,000台と鈍化している(2023年8月16日記事参照)。CAAMは10日の記者会見で、「自動車の消費促進に関する若干の措置」によって自動車消費の潜在力がさらに解放され、自動車業界が年間を通じて着実に目標を達成することを期待するとした。

(注)「一証通弁」とは、身分証や営業許可証のみで各種行政手続きが完結できるサービス。

(亀山達也)

(中国)

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