自動車消費促進策を発表、購入制限の最適化などを図る

(中国)

北京発

2023年08月03日

中国の国家発展改革委員会と商務部などは7月21日、「自動車の消費促進に関する若干の措置PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した(文章は7月20日付)。この措置では、自動車の消費は中国経済の一翼を担っており、サプライチェーンの質的・量的発展に強く作用すると示した上で、自動車消費の安定と促進、自動車購入制限の最適化、新エネルギー車(NEV)の持続的かつ良好な発展などを目的に、次の施策を掲げた。

  1. 自動車購入管理政策の最適化。購入制限地域に対し、可能な限り早期に年間自動車購入制限の指標を発表するよう奨励する。都市部と郊外で指標を分けた政策を実施し、各地の状況に応じた指標を設定する。
  2. 自動車買い替えサポート。自動車排ガス基準「国3」以下の乗用車と違法な非標準商用車の排除・廃棄を奨励する。条件を満たす地域は旧型車の下取りを可能とし、旧型車の淘汰(とうた)・更新を加速させる。
  3. 中古車市場育成の加速。中古車の地域移動制限を解除し、中古車登記の円滑化などの措置を実施する。中古車市場の取引情報の透明性を向上させ、信用を改善する。中古車ディーラーへの検査頻度を合理的に高め、法に基づいて検査結果を公開する。輸出税還付の相談窓口とサービスを強化し、中古車輸出を支援する。
  4. NEV関連施設建設の強化。質の高い充電インフラシステムの構築や、NEVの農村部への展開などの支援策を実施する。電池交換インフラの標準化を進め、互換性と普遍性を高める。都市や高速道路などの幹線に電池交換ステーションの建設を奨励する。
  5. NEVの取得と使用コストの削減。NEV購入税の減免政策の継続と最適化を実施する。住宅地の公共充電設備や工業用・商業用充電設備の普及を促進する。充電施設運営者に対し、料金を段階的に引き下げるよう奨励する。

その他、農村部の電力供給網の整備、公共交通機関でのNEV採用数の増加、自動車関連金融サービスの強化、駐車場の整備なども挙げた。

中国の6月の自動車販売台数は前年同月比4.8%増だったが、伸び率は5月の27.9%増から鈍化している(2023年7月19日記事参照)。7月19日に開催された商務部の記者会見で、同部の市場運行・消費促進司の徐興鋒司長は、消費は経済成長の持続的動力とした上で、消費の4大項目の自動車、家電、住宅、飲食に対する政策を打ち出すことを示していた。

(亀山達也)

(中国)

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