米ジョージア州、水素ステーションの展開に向けた情報提供要請書を発行

(米国)

アトランタ発

2023年08月15日

米国ジョージア州のブライアン・ケンプ知事(共和党)は8月7日、ジョージア州運輸省(GDOT)に対し、同州における商用車用水素燃料ステーションの展開に向けて、民間セクターのパートナーと協力するプロセスを開始するよう指示したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

プロセスの第1歩として、GDOTは情報提供要請書(RFI)(添付資料参照)を発行し、関連企業などから水素ステーションの開発や建設に関する意見聴取を開始した。RFIでは、燃料電池車(FCV)の採用、水素ステーションのニーズ、立地条件など9項目計43個の質問が設定されており、回答期限は2023年9月7日となっている。GDOTは、RFIのプロセスとその後の計画協議で、輸送用途における水素の潜在的な需要を全面的に検討する予定だ。

GDOTは今回のRFIで、特にサバンナ港とブランズウィック港の近隣で操業する大型トラックやフリートの所有者と水素ステーションの開発を検討している事業者からの意見を求めている。サバンナ港の西約50キロの場所では、韓国の現代自動車グループがメタプラント・アメリカ(HMGMA、2022年5月23日記事参照)を建設している。報道によると、水素ステーションの配備について同州の中心となる可能性があるのは、サバンナ港近くの州間高速道路16号線で、サバンナ港とHMGMAを結ぶ23マイル(約37キロ)の区間だという(「アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション」紙電子版8月8日)。

米国では、連邦政府も水素の利活用に向けて取り組んでいる。米国エネルギー省(DOE)は、インフラ投資雇用法に基づいて70億ドルを拠出し、2023年秋までに水素ハブ拠点を選定する予定だ(2023年4月13日記事参照)。水素ハブ拠点の設立には、南東部の大手電力会社などで構成される南東部水素ハブ連合(注1)も申請している。なお、同申請前の2023年2月にDOEへ提出された、南東部水素ハブ連合への支援を表明する共同書簡の筆頭のジョン・オソフ上院議員(民主党、同州選出)は2023年1月、ジョージア州公共サービス委員会と共同でジョージア水素エネルギーブレイントラスト(注2)を設立外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、ジョージア州の南東部水素ハブ連合への参画を支援している。

(注1)インフラ投資雇用法の下、連邦政府の資金調達を目指す電力会社のグループ。ジョージア・パワーなどを傘下に持つサザンカンパニーやノースカロライナ州に本拠地を置くデュークエナジーなどが参画している。

(注2)官民パートナーや大学などと連携し、ジョージア州を水素エネルギーの国家的リーダーへと変貌させることを目指しており、ジョージア工科大学も創設メンバーに入っている。

(檀野浩規)

(米国)

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