習近平国家主席、南アを公式訪問、一連の成果アピール

(中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国)

北京発

2023年08月30日

中国の習近平国家主席は8月21日から24日にかけて、南アフリカ共和国を公式訪問した。習国家主席はシリル・ラマポーザ大統領と首脳会談を行った(2023年8月24日記事参照)ほか、第15回BRICS首脳会議(2023年8月25日記事参照)に出席し、同大統領と共同で中国・アフリカ諸国首脳対話を主催した。

中国外交トップの王毅共産党中央政治局委員は8月25日に今回の訪問成果について次のとおり紹介した。

  • 中国と南アフリカ共和国の戦略的相互信頼を新たな高みに押し上げた。中国と南アは共同声明を発表したほか、「一帯一路」の共同建設や、新エネルギー電力、農産物、経済特区・工業園区、ブルーエコノミー、科学技術イノベーション、高等教育などの分野の協力に関して、一連の成果文書に合意した。習国家主席は、中国は南アが国際問題や地域問題でより大きな役割を果たすことを支持し、南アなど開発途上国と協力して真の多国間主義を実践し、開発途上国の共通の利益と発展空間を守ることを望んでいると強調した。
  • BRICS首脳会議では、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国がBRICSに新規加盟することを決定した。これは今回の首脳会議のハイライトであり、BRICSという枠組みの発展において重要な歴史的瞬間であり、世界の多極化を確実に推し進め、国際問題で新興市場・開発途上国の代表性と発言力を高めることになる。また、習主席がBRICSの実務協力の強化について、「中国・BRICS新時代科学イノベーションインキュベーター」を設立することや、「BRICSによる地球規模のリモートセンシング衛星データとアプリケーションの協力プラットフォーム」の設立を模索すること、各国と「BRICSの持続可能な産業の交流協力メカニズム」を共同で構築することを発表した。
  • 中国・アフリカ運命共同体構築に新たな中身が盛り込まれた。中国・アフリカ諸国首脳対話共同声明を発表したほか、習国家主席が「アフリカ工業化支援イニシアチブ」を提起し、「中国のアフリカ農業現代化援助計画」と「中国・アフリカ人材育成協力プログラム」を実施すると宣言した。

(張敏)

(中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国)

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