習近平国家主席、南アに4度目の訪問、2国間協力を推進

(南アフリカ共和国、ブラジル、中国、インド、ロシア)

ヨハネスブルク発

2023年08月24日

第15回BRICS首脳会議が8月22日、南アフリカ共和国のヨハネスブルクで開幕した。南ア政府は、会議に出席する中国の習近平国家主席を国賓として迎え、シリル・ラマポーザ大統領との首脳会談が行われた。

ラマポーザ大統領は、会談後のメディアブリーフィングで、4度目となる習国家主席の南ア訪問を歓迎し、「われわれは貿易、投資、インフラ設備、エネルギー、観光など多岐にわたる分野で2国間協力をさらに推進しいくことに合意した」と述べた。貿易に関しては、「中国は南アにとって世界最大の貿易相手国で、南アは中国にとってアフリカ最大の貿易相手国だ」とし、1998年には10億ランド(約78億2,000万円、1ランド=約7.82円)に満たなかった2国間貿易は、2022年には6,140億ランド以上に成長したと述べた。南アは、最大の貿易相手国である中国向けに、鉱物、鉄鋼、果実などを輸出し、電化製品、機械製品、化学品などを輸入している。

ラマポーザ大統領は会談の中で、南アのエネルギー問題への中国の支援について感謝を述べた。中国は、南アの電力不足問題の解消のために、1億6,700万ランド相当の非常用電力設備の寄贈と、約5億ランドの無償資金協力を行う。さらに、ラマポーザ大統領はインフラに関して、中国・アフリカ協力フォーラムの主要プロジェクトであるウムツィムブブ(Umzimvubu)水開発プロジェクト(注)を具体例にあげ、今後のさらなる進展を歓迎するとコメントした。南ア政府の発表によれば、中国から南アへの投資は、鉱業、電気通信、製造業、自動車、電子機器、家庭用品などの分野で2,000億ランドに上る。

南アにおけるBRICS関連の報道は中国に関するものが多く、中国と南ア、アフリカとの経済関係強化について注目が集まっている。

(注)中国・アフリカ協力フォーラム(2015年12月18日記事参照)でのアフリカ支援プロジェクトの1つで、農村部の水不足改善のため南ア・東ケープ州のダム建設などを予定する。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国、ブラジル、中国、インド、ロシア)

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