最低賃金を160万キープへ再引き上げ

(ラオス)

ビエンチャン発

2023年08月22日

ラオス首相府は8月16日付で最低賃金引き上げに関する告示1502号を発布し、2023年10月1日から最低賃金(月額)を現行の130万キープ(約9,750円、1キープ=約0.0075円)から160万キープへ、23%引き上げると発表した(注)。今回は2022年8月1日の110万キープから120万キープへの引き上げ(2022年6月21日記事参照)と、2023年5月1日の130万キープへの引き上げ(2023年4月28日記事参照)に続く措置となる。

6月26日~7月18日に行われた国会では、現行の130万キープの最低賃金では生計を立てるのに不十分として、多くの議員が引き上げを提言し、ソーンサイ・シーパンドン首相も引き上げを約束していた。今回の告示は7月25日の閣議で承認し、異例ともいえる早さで再引き上げを実施することになる。

ラオスでは、現地通貨キープの下落とともに、化石燃料などの国際マーケット価格の上昇も影響し、インフレの進行が止まっていない。8月16日の為替レート(商業銀行仲値)は1ドル=約1万9,488キープと、1年前より28%下落し、7月のインフレ率は21.3%と、依然高い水準が続いている。

(注)為替レート(商業銀行仲値)は2023年5月1日に1ドル=約1万7,296キープ、8月16日は約1万9,488キープで、最低賃金をドルに換算すると、それぞれ約75.16ドル、約82.10ドルとなることから、発布時点のドル・ベースでみると、9%の引き上げ率となる。

(山田健一郎)

(ラオス)

ビジネス短信 5f29513db87bd1a7