米アトランタ地域委員会、地域の人口が過去最高の推計516万人と発表
(米国)
アトランタ発
2023年08月14日
米国のアトランタ地域委員会(ARC)は8月9日、2023年のアトランタ地域の人口推計を発表した(注1)。推計によると、アトランタ地域11郡(注2)の総人口は過去最高の516万人となった(添付資料表参照)。継続的な雇用の拡大と住宅建設許可の取得増加が、要因に挙げられている。
ARCの推計によると、同地域の人口は、2022年4月1日~2023年4月1日の間に6万6,730人増加(前年同期比1.31%増)しており、前年同期の増加数(6万4,940人増)よりも多かった。増加数が最も大きかったのはフルトン郡(1万8,500人増、1.70%増)で、グイネット郡(1万3,510人増、1.37%増)、チェロキー郡(7,120人増、2.54%増)が続いた。特に、フルトン郡に位置するアトランタ市の増加数(1万4,300人増、2.82%増)が多かった。
人口増加の原動力となっているのは、継続的な雇用の拡大だ。ARCによると、新型コロナ禍前の2020年2月と比較して、同地域の雇用は5.4%増加しており、米国で5番目に高い伸びを示している(注3)。ARCのマイク・カーナサン調査・分析部長は「アトランタ地域は、企業の進出や拡大にとって魅力的な地域であり続けている。これは教育水準の高い人々と強力なビジネス環境によるものだ」と述べた。なお、韓国自動車部品メーカーのエヌブイエイチ・コリア(NVH)が、ヘンリー郡で電気自動車(EV)バッテリーシステムの部品製造拠点を設立すると発表し(2023年6月28日記事参照)、アメリカヤクルトも製造拠点の設立を発表するなど(2023年7月24日記事参照)、アトランタ地域やその近郊では雇用の創出に寄与する投資が行われている。
また、人口の増加数が大きかったアトランタ市では、住宅建設許可が2022年に1万2,000件近く発行されており、2番目に多いグイネット郡(5,359件)を大きく引き離している。アトランタ市で発行された住宅建設許可のうち、集合住宅に関するものが85%を占める。ARCのカーナサン調査・分析部長は、集合住宅の建設期間が長期にわたることを理由に、「集合住宅の建設許可数の増加は将来の人口増加を示唆している」と述べており、アトランタ市の人口増加は今後も続く見込みだ(「アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション」紙電子版8月9日)。
(注1)ARCの推計は、建設許可数のデータ、ジョージア大学カールビンソン研究所が作成した人口計算式、就学同行、入居率などを組み合わせて作成されている。
(注2)チェロキー郡、クレイトン郡、コブ郡、デカルブ郡、ダグラス郡、フェイエット郡、フォーサイス郡、フルトン郡、グイネット郡、ヘンリー郡、ロックデール郡。
(注3)オースティン、ダラス、ラスベガス、オーランドに次いでアトランタが5番目。
(檀野浩規)
(米国)
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