日・アンゴラ投資協定が署名、アフリカと6カ国目

(日本、アンゴラ)

調査部国際経済課

2023年08月14日

日本とアンゴラは8月9日、「投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とアンゴラ共和国との間の協定」(以下「日・アンゴラ投資協定」)(英文PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)/和文PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))に署名した。日・アンゴラ投資協定は、今後、両国の国内手続きが完了した30日後に発効する。

投資協定は、投資の自由化を促進し、投資を行う企業や投資した財産を保護するための国際協定で、投資・財産の待遇の透明化について定める。また、投資家が投資先の国で何らかの問題に直面した場合の解決手段の1つとなる。日・アンゴラ投資協定は、投資参入段階における内国民待遇、最恵国待遇を規律するネガティブリスト方式の留保表を含む自由化型協定。特定措置履行要求の禁止は、WTOの貿易に関連する投資措置に関する協定(TRIMs)の規律に加え、ロイヤルティー規制禁止、技術移転要求禁止、自国民雇用要求禁止などを規定している。紛争解決規定として、投資家と国の間の紛争解決(ISDS)も盛り込まれている。

日・アンゴラ投資協定は、日本にとってアフリカで6カ国目の協定となる。国連貿易開発会議(UNCTAD)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、アンゴラはこれまでイタリア、ドイツ、ポルトガル、ロシア、ブラジル、アラブ首長国連邦(UAE)などとの間で、投資協定を発効させている。アンゴラは、石油やダイヤモンドなどの鉱物資源に富む国だが、政府は近年、経済の多角化を推し進めてきた。2023年3月の首脳会談(2023年3月17日記事参照)で本協定の実質合意が発表され、岸田文雄首相が、経済改革を進めるアンゴラのジョアン・ロウレンソ大統領に協力し、エネルギー・経済安全保障の観点からも、日本企業によるアンゴラ投資を促進すると述べていた。

両国は、投資協定に併せて、「投資環境の改善と経済協力に関する共同声明」(英文PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)/和文PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))に署名した。同声明では、日本とアンゴラ間の貿易・投資の支援に加え、人材育成や両国のビジネス環境の改善に向けて、経済産業省やジェトロ、アンゴラの関係省庁・機関などが協力を模索することが盛り込まれている(注)。

(注)投資協定の概要については、「『世界は今-JETRO Global Eye』 海外進出する企業を守る こんなときに役立つ『投資協定』(動画)」を参照。そのほか、経済産業省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは日本の投資関連協定の締結状況やその活用事例を確認できる。

(板谷幸歩)

(日本、アンゴラ)

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