シェル、GJ州に再エネ・EV関連で350億ルピー投資

(インド)

アーメダバード発

2023年08月29日

シェル・エナジー・インディアは8月23日、ブペンドラ・パテル州首相立ち会いのもと、インド西部グジャラート(GJ)州に、総額350億ルピー(約630億円、1ルピー=約1.8円)となる3つの投資案件に関する覚書に調印した(8月23日、GJ州政府広報)。

同社は220億ルピーの投資を行い、GJ州北部バナスカンタの1,200エーカー(約486万平方メートル)の土地に、再生可能エネルギー生産工場を設立するもよう。2026年までに商業生産開始を予定しており、直接・間接的に約1,000人規模の新規雇用を創出する見込み。また、同社は80億ルピーを投じ、GJ州各所に電気自動車(EV)向けのEV充電ステーションを設置する。同事業は2027年までの稼働を目指し、約2,000人の新規雇用が見込まれている。さらに同社は、2027年までの商業生産開始を目標に、50億ルピーを液化天然ガス(LNG)再ガス化ターミナル開発と設備最適化事業に投資するとしており、375人の雇用機会創出が期待されている。

調印式において、シェル・インディア・グループのニティン・プラサド会長から、GJ州政府の産業政策や投資環境改善への貢献に関する謝辞が述べられ、パテルGJ州首相からは、州政府と産業界が強い協力関係にあることが強調された。

GJ州政府は現在、2024年1月に開催が予定されている「第10回バイブラント・グジャラート(VG)」に向け準備を進めている(2023年4月21日記事参照)。VGは、州都ガンディナガルで隔年開催される、全インドレベルの大規模投資誘致イベントだ。GJ州政府はこれまで、VG2024に向けての前段階として、3段階に分けて覚書の締結式を実施してきており、合計14件、総額387億4,000万ルピーの投資案件に関する覚書が締結された。その結果、繊維部門で2,100人、エンジニアリング部門で700人、製薬部門で500人、化学部門で3,085人の雇用機会が創出されるとしている。今回のシェル・エナジー・インディアの投資案件は、その4段階目に当たる。

(古川毅彦)

(インド)

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