半導体関連展示会SEMICON WEST、米サンフランシスコで開催、前回上回る500社以上出展
(米国)
サンフランシスコ発
2023年08月03日
半導体関連の展示会「SEMICON WEST 2023」が7月11~13日、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市のモスコーンセンターで開催された(注)。同展示会は業界団体のSEMIが毎年開催しており、SEMIによると、今回は米国やドイツ、韓国、日本などから500社以上が出展し、前回の350社を上回った(2022年7月19日記事参照)。
「SEMICON WEST 2023」初日の会場の様子(ジェトロ撮影)
出展した日本の主な中小企業は次のとおり。
- santec Holdings(本社:愛知県小牧市):光学関連製品の開発・製造メーカー。米国ではニュージャージー州、カリフォルニア州に拠点を有する。今回展示した半導体装置向けのウエハー厚分布測定器は、ウエハーの厚み分布を非接触かつ平坦度を1ナノメートルの精度で計測でき、温度や振動などの環境変化にも対応する。同社は、半導体製造業界を前進させる革新的な新製品を表彰する「BEST OF WEST Awards」のファイナリストに、日本企業で唯一ノミネートされた。
- 山進産業(本社:大阪市中央区):ステンレス棒鋼をはじめ、特殊鋼材を取り扱う金属専門商社。同社の鋼材は、半導体の製造装置、大手飲料メーカーの製造タンク、電気自動車(EV)や水素自動車の主要パーツ、産業用ロボットなどに使われている。同社は今回、半導体向け鋼材の米国での販路を拡大するために初めて出展し、「今回、直接のコンタクト先を得たことは大きな成果だ。今後もフォローしていく」と振り返っていた。
このほか、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が韓国パビリオン、ニューヨーク州が企業誘致を目的としたブースを設置した。半導体を重点産業と位置付けるオレゴン州は、12日にレセプションを開催した。
SEMIは2023年1月のプレスリリースで、次回の展示会は2024年7月9~11日にサンフランシスコで、次々回は2025年10月7~9日にアリゾナ州フェニックスで開催し、その後はサンフランシスコとフェニックスで交互に開催すると発表している。SEMIの米州プレジデントのジョー・ストックナス氏は「フェニックス大都市圏には、SEMI会員のEMDエレクトロニクス、インテル、TSMC(台湾積体電路製造)を含む75社以上の半導体関連企業が立地している。10万人超が雇用されており、雇用は今後さらに増える予定だ」と述べ、フェニックスでの開催に期待を寄せた。
(注)SEMICONは、SEMICON EUROPA(ミュンヘン)、SEMICON CHINA(上海)、SEMICON JAPAN(東京)など世界各地で開催されている。
(石橋裕貴、濱真奈)
(米国)
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