ブラジル初、空飛ぶクルマの工場建設をエンブラエルが発表

(ブラジル)

サンパウロ発

2023年08月02日

ブラジル大手航空機メーカー、エンブラエルのグループ会社であるイブ・エア・モビリティ(EVE)は7月20日、開発中の電動垂直離着陸機〔イーブイトール(eVTOL)〕の生産工場建設を発表した。建設地は、サンパウロ州タウバテ市(注1)。エンブラエルの発表によると、タウバテ市は幹線道路や鉄道などへのアクセスが良く、同社の本社が所在するサン・ジョゼ・ドス・カンポス市にも近接している。そのため、ロジスティクス面で有利で、エンブラエルおよびEVE両社の技術者同士の交流も容易だ。

開発中のeVTOLは、搭乗者数5人(注2)で、最長約100キロの飛行が可能。2026年までに完成する予定。2021年6月以降、国内外から発注が相次いでいる(2021年8月26日記事参照)。現時点では2,850機を受注している(添付資料表参照)。EVEは、2021年12月にニューヨーク証券取引所への上場に向けて米国のザナイト・アクイジション・コーポレーションとの経営統合を発表し、2022年5月に上場した(2022年1月4日記事参照)。

また、エンブラエルは2023年6月18日、公式サイトでeVTOL生産に向けた3社の部品サプライヤーを発表した。エンブラエルとニデックの米国子会社ニデックモータの合弁事業であるニデック・エアロスペースLLCは電動推進システムを、英国BAEシステムズはエネルギー貯蔵装置、そしてフランスのDUCエリス・プロペラーズはローターとプロペラを供給する。

(注1)eVTOL生産工場は、タウバテ市にあるエンブラエルの既存の施設に設置される。7月20日付現地紙「グローボ」によると、本施設は現在、物流センターとして利用されている。

(注2)パイロット1人、乗客4人。自動運転が可能になれば、最大6人の搭乗可能。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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