第2四半期のGDP成長率は前期比0.6%、輸入の減少幅が拡大

(韓国)

調査部中国北アジア課

2023年07月28日

韓国銀行(中央銀行)は7月25日、2023年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(速報値)が前期比0.6%だったと発表した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2020年第1四半期および第2四半期はマイナス成長だったが、社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)確保措置の解除などにより、2020年第3四半期から2022年第3四半期まで9期連続でプラス成長が続いた。2022年第4四半期は輸出や民間消費が不振でマイナス成長に陥ったが、2023年第1四半期には再びプラス成長を記録していた(2023年4月28日記事参照)。

第2四半期の支出項目別実質GDP成長率(前期比)は次のとおり(添付資料表1参照)。ちなみに、前年同期比では財・サービス輸出のみマイナスとなった(添付資料表2参照)。

  • 民間消費:宿泊飲食などのサービスが減少し、0.1%減。
  • 政府消費:社会保障制度における現物給付が減少し、1.9%減。
  • 建設投資:土木建設を中心に減少し、0.3%減。
  • 設備投資:機械類は増加したが、運送装置が減少し、0.2%減。
  • 輸出入:輸出は、半導体や自動車などを中心に増加したが、石油製品および運輸サービスなどが減少し、1.8%減。輸入は、原油、天然ガスなどの減少で4.2%減。

業種別にみると、農林漁業は栽培漁業を中心に5.5%増、製造業はコンピュータや光学機器などが増加して2.8%増、電気・ガス・水道事業は6.0%減となった。さらに、建設業は土木の減少により3.4%減、サービス業は卸・小売業および宿泊飲食業が減少したものの、運送業などが増加し、0.2%増となった。

民間消費や政府消費など内需の不振が全体の成長率を押し下げているが、輸入の減少率が輸出を上回り、純輸出が拡大したことで前期に続いてプラス成長を維持することができた。「聯合ニュース」(7月25日付の社説)は、現状は「不況型成長」と指摘した上で、「下半期は韓国経済の要である輸出不振の解決に向けて早急に対策を講じるべき」と論じた。

(益森有祐実)

(韓国)

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