第1四半期のGDP成長率は前期比0.3%、2023年の成長率見通しは下方修正へ

(韓国)

中国北アジア課

2023年04月28日

韓国銀行(中央銀行)は4月25日、2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(速報値)が前期比0.3%だったと発表した。新型コロナウイルス感染対策の社会的距離(ソーシャルディスタンス)確保措置の解除により、民間消費が増加してプラス成長となった。しかし、輸出から輸入を差し引いた純輸出は実質GDP成長率を0.1ポイント引き下げた(2023年1月26日記事参照)。

第1四半期の支出項目別実質GDP成長率(前期比)は以下のとおり(添付資料表1参照、前年同期比の支出項目別実質GDP成長率は添付資料表2参照)。

  • 民間消費:娯楽文化などのサービスが増加し、0.5%増。
  • 政府消費:社会保障制度による現物給付が増加し、0.1%増。
  • 建設投資:建築投資が増加し、0.2%増。
  • 設備投資:機械類と半導体装備が減少し、4.0%減。
  • 輸出入:自動車など輸送機械を中心に3.8%増、輸入は化学製品などが3.5%増。

業種別に見ると、農林漁業は栽培漁業を中心に2.5%減、製造業は輸送機械や金属製品などが増加して2.6%増、電気・ガス・水道事業は2.0%減だった。建設業は建築の増加により1.8%増、サービス業は医療、保健、社会福祉サービス、文化およびその他サービス業などは増加したが、宿泊飲食業、運送業などが減少し、0.2%減だった。

韓国銀行は、4月11日の金融通貨委員会で、2023年の経済見通しについて、2月の予測値1.6%より小幅に下方修正する意向を示唆していた。それだけ、輸出の不振が続いているということだ。「聯合ニュース」(4月25日付の社説)は、半導体を含む中間財などの輸出が伸び悩んでいることを指摘した上で、「新しい輸出品目を育成し、対策を強化するのに、ひと時も緊張を緩めてはならない現実を直視すべき」と論じた。

(益森有祐実)

(韓国)

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