6月の中国自動車市場、プラス成長維持、伸び率は鈍化
(中国)
上海発
2023年07月19日
中国自動車工業協会(CAAM)が7月11日に発表した6月の自動車販売台数は前年同月比4.8%増の262万2,000台だったが、伸び率は前月(27.9%)より大幅に鈍化した。生産台数は同2.5%増の256万1,000台、前月比ではそれぞれ10.1%増と9.8%増だった。
販売台数の内訳は、乗用車が226万8,000台(前年同月比2.1%増)、商用車が35万5,000台(同26.3%増)だった。うち新エネルギー車は80万6,000台(同35.2%増)で、自動車販売台数全体に占める割合は2023年1月から拡大し続け、30.7%となった。新エネルギー車の内訳は、電気自動車(EV)が57万3,000台(前年同月比20.5%増)、プラグインハイブリッド車(PHV)が23万2,000台(同93%増)、燃料電池車(FCV)が前月(400台)より大幅に増加し、1,000台(同約2倍)だった。自動車の輸出台数は前月同様に好調を維持し、38万2,000台(同53.2%増)だった。
2023年上半期(1~6月)の累計販売台数は1,323万9,000台(前年同期比9.8%増)で、生産台数は販売台数とほぼ同水準の1,324万8,000台(同9.3%増)だった。販売台数の内訳をみると、乗用車は1,126万8,000台(同8.8%増)、商用車は197万1,000台(同15.8%増)、新エネルギー車は374万7,000台(同44.1%増)で、自動車販売台数全体に占める新エネ車の割合は28.3%となった。輸出は214万台(同75.7%増)で好調を維持した。輸出の内訳は乗用車178万台(同88.4%増)、商用車36万1,000台(同31.9%増)、新エネ車53万4,000台(同2.6倍増)だった。
CAAMは2023年上半期の自動車市場動向について、「中央と地方政府による消費促進政策や各地での販売促進活動、企業の相次ぐ新型車発売により、上半期の累計販売台数は増加し続けた」と述べた。また「自動車市場の要となる新エネ車などの輸出台数が継続して成長したとともに、中国ブランドの販売台数が伸び、乗用車市場全体に占める中国ブランドの自動車の割合が50%以上にのぼった」と言及した。
2023年下半期の自動車市場について、CAAMは「マクロ経済の緩やかな回復に伴う自動車市場の活性化と、各種支援策の効果によって、今後とも積極的な消費が期待できる。年間目標の達成も可能だろう。しかし、自動車業界は依然として複雑な外部環境や消費者の需要低下など下押し圧力に直面しており、困難も多くある」と指摘した。
CAAMは2023年の新車販売台数の目標値を2,667万台と掲げているが、同協会が6月に「現状から推測すると、達成は困難だ」と示したように(2023年6月16日記事参照)、上半期の販売実績をみると、達成は容易でないと考えられる。
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