5月の中国自動車販売台数は好調も、通年の目標達成は困難か

(中国)

上海発

2023年06月16日

中国自動車工業協会(CAAM)が69日に発表した5月の自動車販売台数は前年同月比27.9%増の2382,000台、生産台数は21.1%増の2333,000台となり、2月から4カ月連続で前年同月を上回った。前月比では、それぞれ10.3%増と9.4%増だった。5月の自動車市場について、CAAMは「労働節連休中(429日~53日)に多くの地域で販売促進を行ったことが功を奏した。また、昨年の同じ時期は新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きく落ち込んだこともあり、今年5月の自動車生産・販売はいずれも増加となった。特に新エネルギー車の販売台数と輸出台数が好調を維持した」と説明した。

販売台数の内訳は、乗用車が2051,000台(前年同月比26.4%増)、商用車が33万台(38.2%増)だった。うち、新エネルギー車は717,000台(60.2%増)となり、自動車販売台数全体に占める割合は30.1%と、前月(29.5%)を上回った(2023522日記事参照)。新エネルギー車の内訳は、電気自動車(EV)が522,000台(50.4%増)、プラグインハイブリッド車(PHV)が194,000台(94.4%増)、燃料電池車(FCV)は400台(4.1倍)だった。

自動車の輸出台数は引続き好調で、前年同月比58.7%増の389,000台だった。部門別にみると、乗用車は325,000台(66.3%増)、商用車は63,000台(28.6%増)となり、うち、新エネルギー車は108,000台(2.5倍)だった。

14月の輸出先上位10カ国(台数ベース)はロシア、メキシコ、ベルギー、オーストラリア、サウジアラビア、英国、タイ、スペイン、アラブ首長国連邦、フィリピンだった。新エネルギー車の輸出ではベルギー、タイ、英国が上位3カ国となった。

今後の自動車市場について、CAAMは「4月以降、自動車市場は好調を維持しているが、回復のスピードは遅く、自動車市場は依然として大きな下押し圧力に直面しており、企業収益も低水準となっている。2023年の自動車市場の目標値として、新車販売台数を前年比3%増の(2023年1月16日記事参照)2,667万台と掲げていたが、現状から推測すると達成は困難だ。消費者需要の拡大と積極的な消費を引き出す政策の実施が必要だ」と指摘した。

(宋青青)

(中国)

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