5月貿易収支は221億ドル赤字、5カ月ぶりの高水準

インド商工省（MoCI）が6月15日に発表した「貿易統計」（速報値）によると、5月の貿易収支（速報値、サービスを除く）は約221億2,000万ドルの赤字で、35カ月連続の貿易赤字となり、前月と比較して赤字幅は拡大した（添付資料図参照）。5月の輸出額は約349億8,000万ドルで、前年同月比10.3％減少し、4カ月連続のマイナスとなった。輸入額は同6.6％減少の約571億ドルで、5カ月連続のマイナスとなった。

輸出の内訳を見ると、金額の高い順に、エンジニアリング製品約93億887万ドル（前年同月比4.2％減）、石油製品約59億4,074万ドル（同29.9％減）、宝石・宝飾品類約28億2,325万ドル（同12.5％減）、有機・無機化学品約22億4,185万ドル（同12.7％減）などがいずれも減少し、輸出を押し下げた。輸出額が増加した項目としては、電機製品約24億2,403万ドル（同74.0％増）が挙げられる。

輸入額では、全体の約27％を占める石油製品・原油・関連製品約156億2,410万ドル（同6.0％減）、石炭・コークス・練炭類約44億9,211万ドル（同16.9％減）、金約36億9,350万ドル（同38.7％減）、有機・無機化学品約25億7,089万ドル（同20.3％減）などの減少が目立った。一方で、電機製品約67億418万ドル（同18.1％増）、機械・電気・非電気製品類約41億3,879万ドル（同25.4％増）、非鉄金属約20億5,087万ドル（同25.7％増）などの輸入額が拡大した。

貿易赤字の拡大は、多くの先進国の経済が減速し、それに伴い輸入需要が落ち込んだことなどが要因の一方、新型コロナウイルスのパンデミックと、利上げによる借り入れコスト上昇で落ち込んだ国内経済の課題を浮き彫りにしているとも報じられている（「ミント」紙6月15日）。

（丸山春花）