コトツナ、ホテル向け情報発信・コミュニケーションツール販売へ

(サウジアラビア、日本)

リヤド発

2023年07月21日

ホテル向け情報発信・コミュニケーションツールを販売する日本のスタートアップ企業コトツナ(Kotozna)は7月19日、サウジアラビアの大手水道会社MOWAH傘下のテック企業サムーン・インフォメーション・テクノロジー(Samoon Information Technology)と、サウジアラビア国内での販売・業務提携を行うことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。両者は、岸田文雄首相が西部ジッダを訪問した7月16日に開催された「日本・サウジアラビア・ビジネス・ラウンドテーブル」(2023年7月20日記事参照)において、販売・業務提携に関する覚書(MoU)の締結を行った。

コトツナは、日本の国内宿泊業向けの情報発信&コミュニケーションツール「Kotozna In-room(コトツナ インルーム)(注)」のサービスを既に日本国内で展開している。同商品がサウジアラビアでも商機があると判断、サウジアラビアへの販売を計画したという。

2023年1月にサウジアラビア政府観光局が主催するアクセラレーションプログラム「Saudi Tourism Accelerator」に同社は選出された。同年2月には、サウジアラビア情報通信技術省主催の大規模テックイベント「LEAP2023」に参加、ジェトロのJ-Startupパビリオンに出展(2023年2月13日記事参照)、同展示会に来訪したサムーンが「Kotozna In-room」へ高い関心を示したのを契機に商談が本格化し、6月12日に販売・業務提携が決まったという。

サウジアラビア観光省は「ビジョン2030」のもと、世界トップ5の観光地を目指し、(1)年間1億人の観光客来訪、(2)観光業のGDP寄与の増加(3%から10%)、(3)観光業による100万人の雇用創出と3つの目標を掲げる(2020年12月22日記事参照)。その一環として、重点取り組み産業として観光客の誘致・投資に取り組んでおり、世界各国のホテルチェーンが続々とサウジアラビアに進出している。

サウジアラビア観光省は、2022年のサウジアラビアの国内外観光客は9,350万人、観光支出総額は前年比93%増の1,850億リヤル(約6兆8,450億円、1リヤル=約37円)、同年のGDPの3.2%に寄与したとしている(2023年2月16日「サウジ・ガゼット」)。

画像 Kotozna In-room(Kotozna提供)

Kotozna In-room(Kotozna提供)

写真 MoU締結(サウジアラビア投資省提供)

MoU締結(サウジアラビア投資省提供)

(注)「Kotozna In-room」は、宿泊施設向けの多言語・DXソリューションで109言語に対応。多言語同時翻訳チャットツールを搭載、宿泊客はアプリをダウンロードする必要なく、スマートフォンでQRコードを読み込むだけで、施設案内や周辺観光情報などが自分の言語で表示され、施設内のどこからでもスタッフと母国語同士でチャットすることが可能となる。

(林憲忠)

(サウジアラビア、日本)

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