リヤドで大規模テックイベント「LEAP2023」が開催

(サウジアラビア、日本)

リヤド発

2023年02月13日

サウジアラビア・リヤドで269日、サウジアラビア情報通信技術省主催の大規模テックイベント「LEAP2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。2022年に初めて開催された同イベントは、最新技術に関する展示会・カンファレンスで、技術の未来とその役割に焦点を当て、革新的な解決策を見いだすことがテーマとなっている。

今回は規模を拡大させたため、前回(2022年2月4日記事参照)の17万人を上回る30万人以上が来場した。世界100カ国から1,000社におよぶ企業が参加、マイクロソフトなどのグローバルIT企業に加え、サウジアラムコやサウジ電気通信会社(STC)、Mobilyなど大手地場企業が名を連ね、最先端技術を披露した。会場内ではアーム型のロボットがカフェラテを振る舞い、人型のAI(人工知能)ロボットが言葉に反応して会話をするなど、技術発展が将来の社会に与える可能性を想像させる工夫が施されていた。

写真 サウジアラムコのブース (ジェトロ撮影)

サウジアラムコのブース (ジェトロ撮影)

写真 スタートアップ企業のブースエリア (ジェトロ撮影)

スタートアップ企業のブースエリア (ジェトロ撮影)

基調講演やパネルディスカッションでは、欧米主要企業の代表者や投資家、起業家らが登壇し、最新の情報通信技術に加えて、気候変動の影響を緩和するテクノロジーやゲーム産業のトレンドについて議論する場面も見られた。

また、STCやサウジアラビア・データAI庁(SDAIA)など複数のサウジアラビア政府・民間企業が将来的な協力に向けた覚書を披露しており、三井物産や横河電機などの日系企業もサウジアラビア企業との覚書を披露した。

ジェトロは、同会場内にJ-Startupパビリオンを設け、デモブース出展などを行った。同ブースには、アルガルバイオ(バイオテクノロジー)、コトツナ(多言語翻訳ツール)、スペースクール(素材)、ビットグリット(AI、ブロックチェーン)、AC Biode(材料科学、化学、エレクトロニクス)の5社のスタートアップ企業が出展し、サウジアラビアをはじめとする中東企業との積極的な商談が行われた。また、最先端技術で問題解決に取り組むスタートアップやプロジェクトの支援を目的にした賞金付きのピッチコンテストでは、うち4社がセミファイナルに出場し、自社のビジネスについてプレゼンを実施した。

写真 会場内のジェトロブース (ジェトロ撮影)

会場内のジェトロブース (ジェトロ撮影)

本イベント期間中に発表された投資金額は90億ドルを超えており、サウジアラビアが目指す海外からの直接投資を促進する上で重要な役割を果たしている。

同イベントは2024347日に再度開催することが発表されており、サウジアラビアにおけるデジタル分野の積極的な動きがうかがえる。

(位田陸)

(サウジアラビア、日本)

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