オンラインゲームに対する28%のGST課税を発表

(インド)

ムンバイ発

2023年07月19日

インドの中央政府と州政府の財務相で構成する物品・サービス税(GST)評議会の第50回会合外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます711日に開催され、オンラインゲーム、カジノ、競馬に対して28%のGST課税を勧告した。

GST制度は従来、州ごとに異なっていた複数の間接税を全国統一し、税体系の透明性向上と簡素化を図るため、現政権下で201771日に導入された(2017年6月7日記事参照)。物品やサービスごとに異なる税率が定められており、不定期で開催されるGST評議会で見直し、同評議会の勧告を受けて税率を変更している。

オンラインゲームの課税については、これまで3年近く議論が続いており、課税の対象範囲が焦点となっていた。オンラインゲームには従来、賭け事の要素を含むものはプレーヤーの課金額に対して28%、賭け事を含まないものには課金額から賞金を差し引いた額に対して18%のGSTを課税していた。これに対し、今回の勧告は、賭け事を含むゲームのみならず、全カテゴリーのオンラインゲームを対象に、課金額に対してGSTの最高税率28%の課税を示した。業界からは、オンラインゲームビジネスのコストが上昇し、国内外からの投資が冷え込むことで、ゲーム業界だけでなく、それを取り巻くスタートアップなどの発展も妨げられると懸念の声が上がっている(「ミント」紙712日)。

インドではスマートフォンの普及や性能向上に伴って、オンラインゲーム市場が急速に拡大しており、ユーザー数は2019年の36,500万人から2022年には44,000万人への増加が推測される。また、売上高は2019年~2022年に年平均成長率43%で拡大しており、2022年は1,870億ルピー(約3,179億円、1ルピー=約1.7円)規模と推測される(2022年JETRO実施「インドのコンテンツ産業市場調査」参照)。今回の改定を受けて、インドのオンラインゲーム業界に今後どのような影響がもたらされるか注目される。

(丸山春花)

(インド)

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