前進党のピタ党首、1回目の指名選挙で首相に選出されず

タイで7月13日、第30代首相の指名選挙が実施された。今回の指名選挙では前進党のピタ・リムジャラーンラット党首が唯一の候補者となった。下院議員311人、上院議員13人の合計324人が賛成したが、182人が反対、199人が棄権、44人が欠席した（7月14日時点）。首相に選出されるのに必要な票数は、投票権を持つ下院議員500人、上院議員249人の合計749人の過半数である375人（注）だったが、それには及ばなかった。次回の首相指名選挙は7月19日に開催される予定。

さらに、ピタ党首は選挙管理委員会（EC）からの訴えに直面している。7月12日に、ECはピタ党首のメディア企業iTVの株式所有が違憲だとして憲法裁判所に提訴するとともに、憲法裁判所にピタ党首の国会議員資格を停止するよう求めた。次回の首相指名選挙に向けて、新たな候補者を擁立する動きも出始めている。

（注）上院議員が1人辞職したため、首相選出に必要な票数が375票に減っている。

（ピンラウィー・シリサップ、藤田豊）