ベダンタ半導体事業、新たな提携に大きな進展と声明

(インド)

アーメダバード発

2023年07月21日

半導体製造事業でのフォックスコンとの合弁解消を7月10日に発表したベダンタ(2023年7月13日記事参照)の半導体とディスプレー事業を所管するアカッシュ.K.へバー常務取締役は、同社はインド・グジャラート(GJ)州のドレラ特別投資地域(SIR、2022年10月12日付地域・分析レポート参照)にインド初の半導体製造、ディスプレー工場を建設することに引き続き全力で取り組んでいるとの声明を出した(7月19日付「フォーチュン・インディア」紙など)。

同氏によると、半導体製造の合弁相手や技術パートナーとの実質的な提携に向けた大きな進展があり、近く詳細を発表する予定だという。また、半導体とディスプレー製造のエコシステムの基幹部分を形成する100社以上のグローバルサプライヤーや、関連企業との提携も合意されており、GJ州政府からもドレラSIRの土地割り当てを受け、既に工場建設の準備が始まっているという。さらに、ディスプレー事業については台湾のイノラックス(Innolux、注)と提携しており、同社の全面的な支援の下、迅速に進める準備が既に整っているとしている。

ベダンタは、半導体工場とディスプレー工場に関するインド政府の修正奨励スキームに従った再申請に対する政府の承認を待っており、承認後はナレンドラ・モディ首相のインドをエレクトロニクス分野で自立させるというビジョンに沿って、直ちに工場建設を開始すると述べている。

べダンタは7月7日のプレスリリースで、インドの半導体市場は2022年に240億ドル、2026年には800億ドルに達すると推計され、一方のディスプレーパネル市場は2022年の70億ドルから2025年までに150億ドルに成長すると予測している。現在では、これら需要の100%を輸入に依存しているインド市場を機会と捉え、同社のポートフォリオに半導体とディスプレー用ガラス製造事業を加えるべく、ボルカン・インベストメンツ(Volcan Investments)社の完全子会社ツイン・スター・テクノロジーズ(Twin Star Technologies)の半導体、ディスプレー部門を買収したと発表した。また、ベダンタは子会社アバンストレート(Avanstrate)社を通じて、液晶ディスプレー(LCD)ガラス基板事業でも存在感を示している。

(注)台湾イノラックスはフォックスコン・グループの大手液晶パネル製造企業。8K 4K超高解像度、アクティブマトリックス駆動方式(AM)mini LED、AM micro LED、低温多結晶シリコン(LTPS)、タッチソリューションなど、高度なディスプレー分野での統合ソリューションを提供している。

(古川毅彦)

(インド)

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