華虹半導体の無錫第2工場が着工、総投資額は67億ドル

(中国)

上海発

2023年07月07日

中国上海市に拠点を持つファウンドリー(半導体の受託製造)の華虹半導体は6月30日、江蘇省無錫市で集積回路の研究開発と生産を行う第2工場の建設に着手した。総投資額は67 億ドルで、12インチウエハーの生産ラインを新設する。回線幅40~65ナノ(10億分の1)メートルのプロセス技術を採用し、生産能力は月間8万3,000枚の計画だ。新エネルギー車(NEV)、モノのインターネット(IoT)、新エネルギー、スマート端末向けなどの半導体の生産を強化する。

華虹半導体は香港証券取引所に上場しており、中芯国際集成電路製造(SMIC)に次ぐ大手半導体メーカーだ。同社は国有企業グループ華虹集団の子会社で、特殊ICとディスクリート半導体の受託生産に力を入れている。同社は上海市に8インチウエハー工場を3カ所(月産能力約18万枚)、無錫市に12インチウエハーの第1工場(同6万5,000万枚)を有している。

半導体の工場新設には巨額の投資が必要になるため、外部資本を加えた共同出資会社として運用することが多い。華虹半導体は6月28日、中国政府系の半導体産業向け投資ファンドの「国家集成電路産業基金(第2期)」(基金2期)から最大30億元(約600億円、1元=約20円)を増資で調達する契約を締結した。基金2期は既に第2工場の株式29%を持つ大株主で、さらなる資金を捻出する。

中国政府は半導体の国産化を推進するため、補助金による支援や税制上の優遇を実施するとともに、企業に資金を供給している。2014年9月に募集額が1,387億元に上る国家集成電路産業基金を立ち上げ(2018年11月7日付地域・分析レポート参照)、2019年10月に基金2期も発足した。中国の報道によると、基金2期では中国企業で強化が必要とされる半導体製造装置、半導体材料などへの投資を増やしており、発足からの投資は38社の計530億元を超えたという(「経済参考報」7月3日)。

(劉元森)

(中国)

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