完全無人自動運転タクシー、北京市で商業化試験を開始

(中国)

北京発

2023年07月18日

北京市ハイレベル自動運転モデル区弁公室は7月7日、北京市のインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)政策先行区(注)内でICVの完全無人自動運転の商業化テストを実施すると発表した。

関連する規定「北京市インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)政策先行区での自動運転サービスの商業化モデル管理実施細則(試行)」の改定版に基づき、要件を満たす企業は先行区で、一般市民向けに完全無人自動運転タクシーの有料サービスを提供できるようになった。

同市は2021年4月、自動運転を段階的に普及・推進していくため、先行区を設立した(2022年7月29日記事参照)。その後、同年10月から11月にかけて、中国で初めて車両に安全担当者を乗せた自動運転のテストとタクシーサービスの商業化テストを実施していた。2023年3月には、先行区で完全無人自動運転の実証を開始し、現在までに116台の無人運転車両が走行実験を行い、総走行距離は約200万キロに達した。無人運転タクシーサービスの商用化テストの累計受注件数は延べ150万件を超え、利用者の好意的なフィードバックの割合は95%以上としている。

北京市ハイレベル自動運転モデル区弁公室は今後、より広い範囲で技術促進を行うとともに、より多くの利用シーンを開拓し、先行区のエリアを段階的に500平方キロまで拡大する(「易車原創」7月9日)。また、高速道路での運用を進め、空港や駅などへの接続の利便性を高め、自動運転車載端末の量産・応用と自動車用チップ産業チェーンの協同に焦点を当て、ICVの産業エコシステムを構築する(同)。

ほかの地域の完全無人自動運転としては、中国の検索エンジン最大手の百度(Baidu)が2022年8月8日、重慶市と湖北省武漢市の両政府から国内初の無人運転モデル運営資格を取得し、両市で完全無人運転タクシーの有料サービスを開始している。

(注)先行区の範囲には、北京市南部に位置する亦荘新城の225平方キロに及ぶ計画区域、大興国際空港、亦荘を囲む6つの高速道路と都市高速道路が含まれる。

(趙薇)

(中国)

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