起亜、米ジョージア州の工場に2億ドル超の投資発表、EV9生産へ

(米国、韓国)

アトランタ発

2023年07月14日

米国ジョージア州のブライアン・ケンプ知事(共和党)は7月12日、韓国自動車メーカーの起亜が同州ウエストポイントにある既存工場に2億ドル超を投資し、約200人の新規雇用を創出すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同社は、スポーツ用多目的車(SUV)タイプのバッテリー式電気自動車(EV)の「EV9」の生産に対応するため、生産ラインを転換する。「EV9」の組み立ては2024年第2四半期(4~6月)に開始される予定で、同工場で組み立てられる5番目のモデルとなる。

現在、米国で販売されている起亜車の40%以上がウエストポイントで生産されている。「EV9」は同社初の3列シート仕様のSUVで、北米で組み立てる同社初のEVとなる(2023年4月7日記事参照)。「EV9」は発売から8日間で1万3,000台の予約注文を集め、6月に納車を開始したという(専門ニュースサイト「エレクトレック」7月12日)。

ケンプ知事は「このプロジェクトは、勤勉なジョージア州民により多くの機会をもたらすとともに、わが州が米国のEモビリティーの中心地になるという目標に向けて、州を前進させる一助となる」と述べた。起亜ノース・アメリカと起亜アメリカのユン・ショーン社長兼最高経営責任者(CEO)は「『EV9』は、起亜が生産する最も革新的な車両となり、EV市場での傑出した存在になるだろう。何よりジョージア州ウエストポイントで組み立てられる」と述べた。なお、起亜の親会社の現代自動車グループとSKオンは、ジョージア州バートウ郡に共同出資で工場を建設しており(2022年12月13日記事参照)、「EV9」用のバッテリーは同工場で製造する予定だ(「アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション」紙電子版7月13日)。

ジョージア州によると、起亜は2023年7月12日時点で、同州に19億ドル以上を投資し、この地域で1万4,000人以上の工場とサプライヤーの雇用を担っている。EV産業が成長を続ける中、同州はサプライチェーン全体で雇用創出の機会を追求し、2020年以降、227億ドル以上の投資と2万8,400人以上の雇用創出を実現している。

(吉田祥子)

(米国、韓国)

ビジネス短信 129b3d28f74885c3