東南アジア最大級の食品見本市「THAIFEX」が閉幕、出展者・来場者ともに大幅増

(タイ)

バンコク発

2023年06月08日

東南アジア最大級の総合食品見本市「THAIFEX-Anuga Asia 2023」が52327日、タイのバンコク近郊で開催された。13万平方メートルの広大な展示スペースに、品目別など11のテーマ別ゾーンを設置するとともに、オーガニックやハラールなどトレンドごとの展示も設けた。タイ国内および世界45カ国・地域から3,034社・団体が出展し、2022年の36カ国・地域、1,603社・団体から大幅に増加した。

主催者発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますや現地報道によれば、一般客を除くバイヤーなどの来場は133カ国・地域から78,764人(前年比53%増)に上り、新型コロナ禍前の2019年を超える規模となった。うち、16,429人(2.5倍)がタイ国外からの来場者だった。また、一般客を含めた総来場者数は131,039人(58%増)だった。

現地報道によれば、期間中の取引額は前年比81.4%増の1,200億バーツ(約4,800億円、1バーツ=約4.0円)となった。成約額の多い順に、中国、タイ、米国、マレーシアとなり、日本は5位となった。

写真 (左)ジャパンパビリオンの巨大広告、(右)ジャパンパビリオンのショーケース(ジェトロ撮影)

(左)ジャパンパビリオンの巨大広告、(右)ジャパンパビリオンのショーケース(ジェトロ撮影)

ジェトロはジャパンパビリオンを設置

ジェトロが設置したジャパンパビリオンには、前年比2倍の33社・4団体が出展した。前年に高いニーズがあった牛肉、水産物、茶などの農林水産物や、調味料、飲料、菓子、麺類、健康志向食品などに加えて、今回は新たに日本酒、梅酒などをそろえた。新たな取り組みとして、在タイの地方銀行および日本各地の食品事業者による「地方銀行コーナー」を設け、10行・16社が日替わりで出展し、地域の商品を売り込んだ。また、ジェトロと在タイ日本大使館が連携して設置した輸出支援プラットフォームの相談窓口には、出品者や日系企業などから輸入規制に関する相談が寄せられた。

ジェトロはジャパンパビリオンの設置に先立ち、タイ国内のバイヤーや周辺国のバイヤーに対して来場を呼びかけた。タイ国内に加え、シンガポール、中国、香港、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーなど各国・地域のバイヤーが訪れ、活発な商談が行われた。

ジャパンパビリオンに出展した企業からは、「新型コロナ禍明け初の参加だったが、タイの食文化は各段に向上しており、日本食の需要も拡大していることを肌で感じた」「近隣諸国のバイヤーも多数来場しており、国際色あふれる展示会で大いに手応えを感じた」「レストラン、小売店などから多数の問い合わせがあり、タイ市場への参入の手応えを感じた。輸出経験がほとんどない企業にとって、ジャパンパビリオンの設置は大変助かる」「タイ市場の可能性を感じていたが、実際に展示会で食してもらい、関心のあるバイヤーに日本の技術、文化を知ってもらって取引につなげる良い機会となった」といった声が聞かれた。

写真 (左)バイヤーとの商談、(右)来場者でにぎわうジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

(左)バイヤーとの商談、(右)来場者でにぎわうジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

次回の「THAIFEX-Anuga Asia 2024」は2024年5月28日~6月1日に開催される。

(忠田吉弘、谷口裕基)

(タイ)

ビジネス短信 ff725d3f1e584d02