ベルギー、製品に修理可能性の表示義務化の法案を閣議決定、自転車も対象

(ベルギー、フランス、EU)

ブリュッセル発

2023年06月08日

ベルギー連邦政府は6月2日、製品寿命を延ばすことを目的として、製品の耐久性と修理可能性のスコア表示を義務付ける草案を閣議決定した(プレスリリース、フランス語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。欧州委員会は製造事業者に製品の修理を義務付け、消費者の新たな権利として「修理する権利」を取り入れた法案を発表しており(2023年3月27日記事参照)、EU域内ではフランスに次いで、製品に修理可能性スコアを導入する。

今回閣議で承認されたのは、製品の修理可能性と長寿命化の促進に関する草案と、それに付随する2つの王令案(修理可能性スコアの対象製品の指定とスコアの評価基準に関する王令案、スコアの表示方法を定める王令案)で、議会での審議を経て2026年から施行される見込み。

対象製品は洗濯機や食器洗い機、掃除機、テレビ、ノートパソコン、自転車などで、小売・卸売事業者に製品の修理可能性スコアを表示する義務が課される。修理可能性スコアは、技術情報やメンテナンスマニュアルの有無、製品の解体のしやすさ、スペア部品の有無・納期・価格などで評価される。長期的には製品寿命の推定値も表示される見込み。

今回の法案は、フランスで既に施行されている修理可能性のスコア表示義務に関する法律(2022年11月7日記事参照)が念頭にある。フランスでは2024年をめどに特定の製品グループについて、修理可能性を基準としたスコア表示から、耐久性を加味したスコアに置き換えを行う予定で、その場合にはベルギーも同様の表示とする予定としている。

ザキア・カタビ環境・気候・持続可能な開発・グリーンディール相によると、複数の小売事業者は既に修理可能性スコアを表示する準備を進めているという。連邦政府は2022年9月に、産業界や小売業、NGO、市民社会などを対象として「修理の可能性指数」について意見を集約していた。

今後、修理可能性スコアが上市される家電の寿命に与える影響について、メーカーや小売事業者、修理業者が評価するプラットフォームを設置する方針だ。同プラットフォームを通じて、製品の修理可能性をスコアにより反映させるための提案や、修理を奨励し、家電寿命を延ばすための政府への提言が行われる予定。

(大中登紀子)

(ベルギー、フランス、EU)

ビジネス短信 e649f79dfff23243