中国、ハイテク産業への投資拡大、1~5月は前年同期比12.8%増

(中国)

中国北アジア課

2023年06月29日

中国国家統計局の6月15日の発表によると、2023年1~5月のハイテク産業への投資が前年同期比12.8%増となり、固定資産投資全体の伸び率を8.8ポイント上回った。そのうち、医療機器・設備・器具製造業への投資は18.8%増加し、電子・通信機器製造業への投資は16.1%増加した。また、同局のデータでは、1~5月の産業用制御PCとシステム(92.6%増)やサービスロボット(34.3%増)などのハイテク製品の生産額は、いずれも前年同期から2桁の伸びを維持するなど、好調なことが示された。ハイテク産業が拡大していることについて、中国宏観経済研究院経済研究所の呉薩副所長は「中国は産業システムの構築や、製造業の核心技術のブレークスルーを目指すために、産業基盤の改造や強固なサプライチェーンの構築などを実施してきた。こうした政策の推進などがハイテク産業の急速な発展を後押しした」と指摘した(「央視新聞」6月17日)。

また、国家統計局が2022年8月に発表した「2021年全国科学技術経費投入統計公報」によると、2021年のハイテク産業向けの研究開発費は前年比22.3%増の5,700億元(約11兆4,000億円、1元=約20円)で、研究開発費全体(2兆7,956億3,000万元)の約20%を占めた。さらに、ハイテク産業向けの研究開発費は2011~2021年にかけて年平均成長率約15%で拡大しており、同産業に対する研究開発投資が続いていることが分かる。

なお、中国共産党第20回全国代表大会では、科学技術の自立自強や科学技術強国の建設加速を推進する方針を強調しており(2022年10月24日記事参照)、中国としては今後も、科学技術やイノベーションの発展に資するハイテク分野の研究開発に力を入れていく方針だ。

(富永笑美子)

(中国)

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