国家サービス省が中銀総裁の身柄拘束
(ナイジェリア)
中東アフリカ課
2023年06月13日
ナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領は6月9日、中央銀行(CBN)のゴッドウィン・エメフィエレ総裁の職務を直ちに停止する声明を発表した。この職務停止措置は、総裁の執務室の調査や金融セクターの構造改革に伴って実行したものだと述べ、調査が完了するまで、副総裁のフォラショドゥン・アデビシ・ショウンビ氏に直ちに業務を引き継ぐよう指示した。
国内の治安維持責任を担当する国家サービス省(DSS)が翌10日に発表したツイートによると、エメフィエレ氏は現在、幾つかの調査の取り調べのため、同省に身柄を拘束されているという。一部の現地メディアは、2023年1月にも同省が彼を逮捕する予定だったと報道していたが、DSSは当時、そのニュースは虚偽で誤解を招くものだと批判していた。
エメフィエレ氏は地場大手のゼニス銀行を経て、2014年にCBN総裁に就任した。前任者のラミド・サヌシ氏もまた、当時のグッドラック・ジョナサン大統領から役職を停止させられている。エメフィエレ総裁の在任中、法定通貨ナイラの公定レートは1ドル155.23ナイラ(2014年6月)から462.4ナイラ(2023年6月)へ約3分の1に下落した。また、2022年10月下旬に発表した新紙幣政策で新紙幣が不足し、市民に深刻な現金不足と混乱をもたらした(2023年2月16日記事参照)。
(谷波拓真)
(ナイジェリア)
ビジネス短信 8c526ce8a05c8578