通貨ナイラの新紙幣が不足、混乱続く

(ナイジェリア)

ラゴス発

2023年02月16日

ナイジェリアでは、新紙幣(2022年10月31日記事参照)の運用を巡り、国内に混乱が広がっている。中央銀行(CBN)による商業銀行への指示(2023年1月11日記事参照)にもかかわらず、ラゴス州内の多くのATMや銀行には、新・旧紙幣のいずれも在庫がないため、人々は現金を入手できない状態が続いている。

CBNは、旧紙幣の利用期限を当初1月末までとしていたが、2月10日を新たな期限に設定した。その後、最高裁判所が旧紙幣の利用を無期限延長するようCBNに命ずる判決を出したが、2月13日現在、CBNは公式な見解を示していない。そのため、多くの小売店では旧紙幣の使用を認めていない。報道によると、CBNは現金不足に対応するため、破損した50ナイラ札を商業銀行に対して供給するという。

ジェトロが複数の両替商に問い合わせたところ、1つの事業者を除き、現在手元にナイラの現金が全くないことから、銀行口座への振り込みの場合のみ両替を受け付けているという。多少の現金を保有しているという事業者は、口座振り込みの場合は1ドル740ナイラでの両替となるが、現金の場合は同490ナイラになると述べた。

ラゴス州内のスーパーマーケットや飲食店の多くでは、デビットカード(POS)や口座振り込みが利用可能だが、取引数の増加によって送金手続きに通常より時間がかかるケースが頻発している。

(谷波拓真)

(ナイジェリア)

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