商船三井、米で脱炭素技術を持つスタートアップへの投資会社設立

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年06月01日

海運大手の商船三井は5月31日、エネルギー分野において脱炭素技術を持つスタートアップへの投資を目的とした米国の新会社エム・オー・エル・スウィッチ(MOL Switch)を設立したと発表した。8月ごろにカリフォルニア州に事務所を設立し、今後3年間で総額1億ドルの投資を行うとしている。

MOL Switchは、エネルギー問題の解決や商船三井グループおよび社会の脱炭素に資する技術やビジネスを開発するスタートアップへの投資を通じ、イノベーションへのアクセス、新たなネットワークの構築、事業機会の探索、人的資本の拡充を目指すとしている。次世代クリーンエネルギー関連技術、炭素除去技術、蓄電池などのクライメートテック(注)分野に重点的に投資していくという。

商船三井は、経営計画「BLUE ACTION 2035」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で環境戦略を主要戦略の1つとして位置付け、「商船三井グループ環境ビジョン2.2」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)において、2050年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッション達成を目標に定めている。商船三井は、MOL Switchが行う投資活動によって、スタートアップが持つ斬新なアイデアやテクノロジーと、商船三井がもつリソースを掛け合わせて新たな付加価値を創造することにより、社会全体の脱炭素の実現を目指す方針だ。

なお、米国での商船三井の最近の脱炭素化取り組みとして、2023年2月にカナダのメタネックスとバイオメタノール燃料を用いたネットゼロ航海実施を(2023年2月28日記事参照)、3月にはアンモニア発電スタートアップの米アモジ―と提携(2023年3月24日記事参照)を発表している。

(注)温室効果ガス(GHG)排出量削減や気候変動対策を目的とする技術を指す。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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