石油・ガス分野の現地調達義務を強化

コートジボワール政府は5月24日、2022年9月19日付官報第75号で公布された、石油・ガス分野のローカルコンテンツ規制に関する2022年6月13日付法律第2022-408号の施行令を閣議決定した。

この法律は、コートジボワールの石油・ガス分野のバリューチェーンにおける国内産業の振興を目的としている。現地の人的・物的資源や商品・サービスの調達、訓練および能力・技能開発、技術移転、付加価値向上の促進・強化に言及している。

また、現地調達義務の履行状況を把握するため、コートジボワール企業の優先規定や、ローカルコンテンツ実施計画および実施状況に関する報告書の提出義務を定めている。

同法に含まれる規定は次のとおり。

• 所定の資格を有するコートジボワール国籍人材の優先的な募集・雇用
• コートジボワール人労働者が社内のすべての職責に従事するための、研修・実習プログラムの設定
• 下請け、物品・サービス提供に関する契約締結時の入札における、コートジボワール企業の優先
• 研究開発、能力開発、技術・ノウハウの移転を促進するための、コートジボワール企業・大学・職業訓練機関とのパートナーシップ協定締結
• 事業リスクカバーのための、国内認可保険会社との保険契約の締結。ただし当該保険会社の資金力を超える場合には、外国保険会社による引き受けも可能。
• コートジボワールに設立された金融機関が提供するサービスの優先採用
• 特定の部門について、継続的かつ測定可能な進捗状況の報告

さらに同法では、雇用、物品・サービス提供、下請け業務を中心に、対象部門別に現地調達義務リストを指定している。

なお、同法で定められた現地調達義務を順守しない場合、認可の取り消しや契約の停止・解除などの行政罰に加えて、50万～2億CFAフラン（約11万～4,600万円、1CFAフラン=約0.23円)の罰金が科される場合もある。

（野澤俊明、渡辺久美子）