ベトナム・モバイルデー開催、最新技術とトップ企業が一堂に

ベトナムのホーチミン市内で6月9日、ベトナムの大手IT人材リクルートプラットフォーム運営会社「TOPDev」が主催する「ベトナム・モバイルデー2023」が開催された。ベトナム・モバイルデーは2011年の初開催以降、国内デジタル業界で活躍する技術者や経営者が業界の最新情報をアップデートするためのイベントとして、人気を得ている。2023年のイベントには、業界の専門家や経営者が登壇したほか、聴衆を含めると4,000人を超える人々が参加した。

2023年の開催テーマは「マルチバース・モバイル・エコノミー（Multiverse Mobile Economy）」だ。会場では「モバイル・エコノミー（Mobile Economy）」「モバイル・CX（Mobile CX）」（注1）、「モバイル・インフラストラクチャー（Mobile Infrastructure）」「ベトナムのテクノロジーの展望（Vietnam Technology Landscape）」の4つをメイントピックとして、ベトナムのデジタル業界をリードする約35社の代表者による講演が行われたほか、サービス・プロダクトの展示・体験エリアも多数設けられた。

講演では、動画共有アプリのTikTokを展開するTikTok VietnamがSNSを活用し、より多くの消費者にアプローチする方法を説明した。また、メッセンジャーアプリのザロ(Zalo)を展開するVNGによるモバイルCXの新アプリ、英語発音矯正アプリのエルサ―（ELSA）を展開するELSA Corpによる教育関連アプリでの人工知能（AI）の応用など、業界の最新技術について紹介した。

データ分析会社「data.ai」は、ベトナムのモバイル市場の規模や動向（主要アプリケーションのダウンロード数など）について各種統計を用いて解説した。デジタルマーケティングソリューションを提供する「ベトガイズ」(VIETGUYS)は、同社が開発した新型プラットフォーム「PangoCDP」（注2）によって、顧客データの収集・分析を通じた効果的な広告キャンペーンを実施できると紹介し、多くの参加者の注目を集めた。

なお、ベトナム・モバイルデー2023は、6月16日にハノイ市内でも開催され、主にベトナム北部の企業がスピーカーとして登壇した。

（注1）CX（Customer Experience）は、顧客体験、顧客体験価値を指す。

（注2）CDP（Customer Data Platform）は、顧客のデータを統合・管理し、パーソナライズされたマーケティングやサービスを可能にするプラットフォームのことを指す。

（ファン・ウイン）