5月の輸出入額、ともに前年同月比増も貿易黒字は過去3年で最低に

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年06月27日

インドネシア中央統計庁(BPS)が6月15日に発表した輸出入のデータによると、5月の輸出額は前年同月比0.96%増の217億1,630万ドル、輸入額は14.35%増の212億7,980万ドルだった。前月比では輸出額は12.61%増、輸入額は38.65%増となった。貿易収支は4億3,650万ドルの貿易黒字で、37カ月連続で黒字を維持したが、黒字幅は同期間内で最低となった(添付資料表参照)。

5月の輸出の内訳をみると、石油・ガスが前月比で4.47%増、非石油・ガスが13.18%増といずれも増加した。輸出全体の9割超を占める非石油・ガスの内訳をみると、鉱物性燃料が4.39%減の38億2,660万ドル、鉄鋼が6.33%減の20億2,760万ドル、動植物性油脂が9.04%増の19億1,210万ドルの順だった。

輸入では、石油・ガス、非石油・ガスが前月比でそれぞれ6.09%、46.42%増加した。非石油・ガスの内訳をみると、機械類・輸送用機器が52.49%増の30億9,030万ドル、電気機器が38.81%増の24億1,780万ドル、鉄鋼が50.58%増の11億6,940万ドルだった。

5月の非石油・ガスの相手国別の輸出額は、中国が47億7,780万ドル(前月比3.41%増)、米国20億5,020万ドル(30.23%増)、日本17億6,540万ドル(26.37%増)となった。相手国別の輸入額は、中国が59億5,090万ドル(43.71%増)、日本15億9,000万ドル(61.14%増)、タイ9億9,900万ドル(62.84%増)と続いた。

5月単月の貿易収支をみると、米国との貿易収支が10億6,230万ドルと最大の黒字で、インドが8億1,870万ドル、マレーシアが4億2,210万ドルの黒字と続いた。中国との貿易収支はマイナス11億7,310万ドルと最大の赤字となった。

BPSのエディ副局長は5月の貿易額の増加について「過去3年間で断食明け大祭(レバラン、2023年は4月22、23日)後の休暇明けには増加傾向にある」と述べた(「アンタラ」6月15日)。過去の推移をみると、輸入についても同様に、断食明け大祭明けに増加傾向にある。

また、輸出については、インドネシア政府が未加工のボーキサイト鉱石の輸出を6月10日から禁止したところ(2023年6月20日記事参照)、資源関連の輸出に影響がある可能性があり、今後の動向を注視する必要がある。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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