カリフォルニア州でモビリティピッチイベント開催、日米企業が連携模索

(米国、日本)

サンフランシスコ発

2023年06月29日

北加(北カリフォルニア)日本商工会議所(JCCNC)は6月20日、モビリティ分野の日系大手企業と米国系スタートアップのピッチイベント「On the Move In Silicon Valley: Japan and the Search for Mobility Tech外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を米国カリフォルニア州サンタクララで開催した(注)。JCCNCによると、参加登録者数は300人を超えた。

イベントには、ベイエリア所在の日系大手企業のホンダ・イノベーションズ、パナソニック・オートモーティブ・システムズ、トヨタ・ベンチャーズ、矢崎イノベーションズ、日立ソリューションズ・アメリカの5社、および米国系スタートアップのアンプル、ブルースペース、ブレリオン、ジップラインの4社が登壇した。

ブレリオン(本社:カリフォルニア州サンマテオ)は、マサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンオフし、2019年に設立された。同社は、仮想空間(メタバース)へのアクセスを可能にする、世界最大級の広角有機ELディスプレイ「ブレイオン・フュージョン」の開発・販売を行っている。同社によると、独自のSLET技術(superconic light-field expansion technology)と深度変調技術を用いることで、ヘッドセットなどのデバイスを装着することなく、メタバースへの没入感を体験可能だという。

また、ジップライン(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は、2016年に設立された、ドローン配送を手掛けるスタートアップだ。同社は、米国内の配送プロジェクトを加速させており、2023年5月にはヘルスケア、飲食、輸送分野で新たに米国企業3社と配送契約を締結したと発表した(2023年5月31日記事参照)。米国外でもこれまでに、ルワンダやガーナで輸血用血液や医薬品などの医療物資を空輸してきた実績を有する(2019年12月5日記事参照)。同社は豊田通商からの出資を受け、日本でも豊田通商子会社のそらいいなに技術提供を行っている。そらいいなは、2022年5月から長崎県五島市でドローンによる離島への日用品・医薬品の定期配送を開始している。イベントに登壇した同社のアジア・カスタマー・サクセス・ディレクターのダン・デイビス氏は「今後、日本でのビジネスをもっと拡大させたい。提携先を探している」と述べた。

写真 イベントの様子(ジェトロ撮影)

イベントの様子(ジェトロ撮影)

(注)主催:北加(北カリフォルニア)日本商工会議所(JCCNC)、協力:在サンフランシスコ日本総領事館、北カリフォルニア・ジャパンソサエティ(JSNC)、ジェトロ。

(濱真奈)

(米国、日本)

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