ドローン配送の米ジップライン、新たに3社と提携、健康食品やピザ、医薬品など配送へ

(米国)

サンフランシスコ発

2023年05月31日

米国のドローン配送スタートアップのジップライン(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は510日、ヘルスケア、飲食、輸送分野新たに3社と配送契約を締結した発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

新たに契約を締結したのは、サプリメントなど健康食品を扱う世界的ブランドのGNC、ワシントン州西部で25店舗を展開するピザチェーンのパリアッチ・ピザ、ライフサイエンスとヘルスケアに特化した物流企業のアソシエイテッド・クーリエズの3社。GNC2023年後半にユタ州ソルトレークシティーでジップラインのドローン配送を開始し、2024年にはほかの地域にも拡大する予定。パリアッチ・ピザはワシントン州シアトル都市圏で、特に昼食や夕食の混雑時にジップラインの配送サービスを利用して、ビザやサラダなどを顧客に届ける。アソシエイテッド・クーリエズは、同配送サービスを利用して、ニューヨーク州ロングアイランドの長期介護施設に、特殊な処方箋や医薬品を直接配送する予定だ。

ジップラインは315日、都市や郊外の家庭に自律型配送を直接提供する新プラットフォームプラットフォーム2(P2を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。P2はほぼ無音で、地上300フィート(約90メートル)以上を飛行するように設計されている。積載物なしで片道最大24マイル(約38キロ)、68ポンド(約2.73.6キログラム)の重量を積載した状態で最大12マイル(約19キロ)の移動が可能。P2は目的地に到着すると、安全かつ静かにホバリングし、中庭のテーブルや家の前の階段へ正確に荷物を置くことができる。

ジップラインは2011年にサンフランシスコで設立された。これまでに、アフリカのルワンダで血液、ガーナで新型コロナウイルスワクチンなどの医療物資を空輸したほか(2019年12月5日記事参照)、米国大手小売りウォルマートと連携した配送サービスなどで注目を集めた。同社のグローバル航空規制担当責任者のオケオマ・モロンヌ氏によると、同社の配送実績は5月時点で50万件以上に上り、2023年末までに100万件に達すると見込まれている(The Verge516日)。また、同社は2025年までに、米国の主要な航空会社を上回る数のフライトを年間運航する予定としている(DRONE316日)。

(濱真奈)

(米国)

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