国際ビッグデータ産業博覧会が貴陽市で開催、デジタルエコノミーを重視

(中国、日本)

成都発

2023年06月05日

中国貴州省貴陽市で52628日、2023中国国際ビッグデータ産業博覧会が国家発展改革委員会と工業情報化部、貴州省人民政府、国家インターネット情報弁公室の共催で開催された。人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)などの分野の最新技術を紹介する専門展示会で、2015年から毎年、同市で開催されている。

「デジタルと経済の統合、データは未来をつくり出す」をテーマに、中国の華為技術(ファーウェイ)や大手通信業者をはじめ、オンラインとオフライン併用のハイブリッド形式で国内外から353社の企業・団体が出展。そのうち、日本からは富士フイルム、パナソニックの2社が出展した。博覧会事務局によると、会期中に延べ18万人以上が来場した。

写真 左:富士フイルムのブース、右:ファーウェイのブース(ジェトロ撮影)

左:富士フイルムのブース、右:ファーウェイのブース(ジェトロ撮影)

開幕式で全国政治協商会議の王光謙副主席は「強力な演算力とビッグデータを通じて、デジタルエコノミーと実体経済の緊密な統合を促進する」と強調し、「中国のデジタルインフラについて、規模と技術力のいずれも大きな進展が見られ、既に世界トップクラスの水準に至っている」と強調した。

中国政府は2022年2月、デジタルインフラ構築の一環として「東数西算」(注)プロジェクト(2022年3月2日記事参照)を発足させた。貴州省ビッグデータ発展管理局の胡建華書記は「貴州省の重点データセンターは37カ所に達し、設置を計画しているサーバーラック総数は400万を超える」と述べた。また「東数西算」プロジェクトでは、「貴安スーパー演算センターでは、クラウドによる複数階層のデータ処理能力により、上海や広州といった地域にデータ処理を提供している」と解説した(「新華社」5月29日)。

貴州省情報センターが発行した「国家ビッグデータ(貴州)総合試験区発展報告2021」によると、2021年の同省のデジタルエコノミー産業の総規模は6,500億元(約13兆円、1元=約20円)に達しており、同省GRP(域内総生産)の34%を占めている。中でも、2021年時点で電子情報産業の経済規模は1,597億元になっている。貴州省政府はデジタルインフラを中心とした新しいインフラ建設を進めているほか、工業、サービス産業のビッグデータ応用も図っている。

(注)東数西算とは、中国の西部地域(内陸部)にデータセンターを創設し、東部地域(沿海部)で生じた膨大なデータを西部地域で演算処理する体制のこと。「数」はデータ、「算」はデータ処理能力を指す。

(潘華臻)

(中国、日本)

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