中国の特別代表がウクライナを訪問

中国外交部は5月18日、李輝ユーラシア事務特別代表が5月16～17日にウクライナを訪問し、ボロディミル・ゼレンスキー大統領と会見したと発表した。併せて、アンドリー・イエルマーク大統領府長官や、ドミトロ・クレバ外相、オレクサンドル・クブラコフ復興担当副首相兼地方・国土・インフラ発展相、ヘルマン・ハルシチェンコ・エネルギー相などの政府高官とも会談した。

李特別代表は、中国はウクライナ危機に対するポジションペーパー（2023年2月28日記事参照）に基づき、国際社会がウクライナ危機解決のための最大公約数を形成することを推進し、可能な限り早い停戦と和平実現のために努力するとした。

外交部によると、ウクライナ側は中国の国連安全保障理事会常任理事国としての外交問題における役割を重視し、和平実現に積極的な役割を果たすことを歓迎するとした。また、ウクライナは「一つの中国」原則を遂行し、中国・ウクライナ関係のさらなる発展を推進すると述べたとされる。

中国社会科学院ロシア・東欧・中央アジア研究所の韓克敵副研究員は今回の訪問について、（1）両国首脳の電話会談の精神を現実のものとした、（2）ウクライナおよび国際社会の中国による調停への希望の大きさが見て取れたという2つの点で大きな意義を持つとしている（「直新聞」5月19日）。

（河野円洋）