ジェトロ、「米国小売業におけるリテールテック市場の動向調査」レポート公表

ジェトロは5月24日、「米国小売業におけるリテールテック市場の動向調査」と題する調査レポートを公表した。

米国では、小売業にデジタル技術を導入して新たなサービスを生み出す「リテールテック」へのイノベーションが急速に進んでいる。そこで、本レポートでは、米国におけるリテールテック市場の最新動向やリテールテックの抱える課題を解説するとともに、大手小売業者のほか、スタートアップも含めたリテールテックを後押しする企業の動向を紹介している。

本レポートでは、リテールテックで注目されるデジタルツール活用の動向として、拡張現実（AR）、非代替性トークン（NFT）、店舗管理、ラストマイル配送の効率化などを取り上げている。ARを活用したバーチャルフィッティングや高級ファッションブランドのNFTコレクション、フットトラフィックカウンターを活用した店舗パフォーマンス分析、ドローンによる配送など、大手小売企業や大手プラットフォーム企業などの具体的な事例を多数紹介している。さらに、デジタル・ショッパー・エンゲージメント（注）や支払いと詐欺防止のためのソリューションなど12のカテゴリーについて、注目されているスタートアップを計20社紹介している。

一方で、課題もある。米国では近年、小売企業に顧客の個人情報を保護するよう求める州法が各州で成立しており、対応が求められている。また、セキュリティーサービス企業の調査によると、小売業はサイバー攻撃に最もさらされている業界で、その対策も必要とされている。本レポートでは、リテールテックが抱える課題として、データプライバシーやサイバーセキュリティーなどを取り上げ、米国の動向を解説している。

その他、米国でのビジネス展開を考える日系企業への示唆として、大手小売企業などによる技術投資、サステナブルな事業展開などについても取り上げている。

本レポートはこちらから閲覧が可能。

（注）デジタルチャネルを通じて、企業と顧客の間でのあらゆるインタラクションを実現する手段。

（檀野浩規）