米カリフォルニア州大気資源委員会、中型・大型トラックのゼロエミッション化を促進する規制を承認

(米国)

ロサンゼルス発

2023年05月10日

米国のカリフォルニア州大気資源委員会(California Air Resources Board:CARB)は4月28日、アドバンスド・クリーン・フリート規制(Advanced Clean Fleets Rule:ACF)を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この規制により、カリフォルニア州では、2036年にガソリンや軽油を燃料とする中型・大型トラックの販売が終了となり、電気や水素などを動力源とするゼロエミッション車両のみ販売が許可される。

カリフォルニア州は、商用車、トラック、バスなど全ての中型・大型車両について、2045年までにゼロエミッション車(ZEV)とする目標を掲げている。商用車を使用する事業者は、ACF規制に基づき、2024年からZEV化を開始することになる。ドレージ車両(注)、ラストマイル用の配送車両、地方自治体や連邦政府機関の車両は2035年まで、ごみ収集車両やバスは2039年まで、同規制の対象となるそのほか全ての商用車は2042年までにZEV化する必要がある。

CARBによると、カリフォルニア州の全車に占めるトラックの割合は6%にとどまる一方、州内の交通機関から排出される窒素酸化物の35%以上、温室効果ガス(GHG)の25%を占めている。AFC規制が実施されると、健康被害は266億ドル削減されるほか、2050年までの移行期間中、運送事業者の総運用コストは480億ドル削減されると試算されている。また、カリフォルニア州は、ゼロエミッショントラックとそのインフラの普及拡大のため、2025年までに30億ドルを投資する予定だ。

環境規制の先進地域と位置付けられているカリフォルニア州では、CARBが、2035年時点で中型・大型トラックの新車販売の一定割合をZEVとするアドバンスド・クリーン・トラック規制(Advanced Clean Trucks :ACT)を2020年6月に策定している(2020年7月3日記事参照)。今回のAFC規則の承認により、商用車のゼロエミッション化がさらに加速すると見込まれる。

(注)コンテナ貨物を陸上輸送するトラック。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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