第1四半期の実質GDP成長率は前年同期比マイナス1.9%

(ロシア)

欧州課

2023年05月24日

ロシア連邦国家統計局は5月17日、ロシアの2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率をマイナス1.9%(前年同期比、速報値)と発表した。経済発展省は第1四半期の実質GDP成長率推計値をマイナス2.2%としていたが、それを0.3ポイント上回る結果となった(2023年5月18日記事参照)。卸売・小売業、鉱業、輸送の不振によりマイナス成長となった。他方で、農業、建設業、製造業は堅調に推移した。

産業別統計をみると、特に落ち込みが大きいのは小売商品売上高で、前年同期比7.3%減となった(添付資料表参照)。2023年1~3月の消費者物価指数の上昇率は前月比ではそれぞれ0.8%、0.5%、0.4%と増減幅は小さいものの、前年同月比では11.8%、11.0%、3.5%となった。3月の前年同月比上昇幅は低水準で、内訳は食品2.6%、非食品0.1%、サービス9.7%だった。ロシア中央銀行は4月28日に、国内の物価上昇率が落ち着いていると発表している(2023年5月2日記事参照)。実質可処分所得は前年同期比0.1%増だった。

2023年通年の実質GDP成長率の予測について、経済発展省はプラス1.2%(4月時点)(2023年4月26日記事参照)、中銀はプラス0.5~プラス2.0%(5月時点)とし、IMFはプラス0.7%(4月時点)、世界銀行はマイナス0.2%(4月時点)と想定している。

(小野塚信)

(ロシア)

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