経済発展省、2023年はプラス1.2%成長と予測

(ロシア)

欧州課

2023年04月26日

ロシア経済発展省は4月10日、2024年から2026年までの主要経済指標予測「2024~2026年におけるロシア経済機能化のシナリオ条件および社会経済発展見通しの基礎変数」を発表した(添付資料表参照)。外需では中国の経済回復やいまだに比較的高く推移するエネルギー資源価格を背景に、また内需では輸入代替の進展などによる製造業の回復から、実質GDP成長率は2023年が1.2%、2024年以降は2%台のプラス成長が可能だとしている。

国内産業では、2023年1~2月の建設、輸送、製造などの動向、低い失業率で安定的に推移する労働市場などを、2023年に経済が回復する根拠として挙げた。貿易では、石油ガス関連輸出の減少により輸出全体も前年比減になる一方で、輸入の回復により、貿易黒字は2022年のGDP比13.5%から7.4%に低下する見通し。貿易収支の悪化に伴い、ルーブルの対ドルレートは年平均で2022年の1ドル=67.5ルーブルから2023年は76.5ルーブルに下落すると予測されている。

消費の回復も見込まれる。社会給付の増加などによる所得の上昇を背景に、2023年の小売売上高は前年比5.3%増となる見通し。その一方、固定資本投資は2022年に公共投資を中心に高い伸びを示した反動から0.5%増にとどまる見込み。その中で、政府の支援により製造業での民間投資は回復すると予測されている。また、輸入相手国が対ロ制裁に加担しない友好国や中立国にかわり、輸入代替が進展することで、対ロ経済制裁への一定の適応が進む。中国の経済回復もプラスに働くが、中国国内の新型コロナ規制撤廃後の状況、インフラ投資の動向、不動産市場の動向などに左右されるとしている。

(欧州課)

(ロシア)

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