蘇州市で上海空港のシティエアターミナルが運営開始

(中国)

上海発

2023年05月29日

中国・上海虹橋国際空港と上海浦東国際空港を運営する上海機場集団は5月19日、「上海空港蘇州シティエアターミナル」の運営を正式に開始したと発表した。同ターミナルは、長江デルタ区域一体化発展の方針(2019年12月23日記事参照)に基づき、2021年10月に上海機場集団と蘇州工業園区管理委員会が締結した戦略的協力協定のもとで構想され、約1年半の建設期間を経て完成した。

同ターミナルは蘇州工業園区CBDセンターに位置し、敷地面積は約1,400平方メートルで、空港基礎機能エリア、VIPサービスエリア、商業エリアの3つで構成されている。航空便の照合やチェックイン、手荷物預け、安全検査、さらには同ターミナルから上海浦東空港と虹橋空港までの専用バスでの移動といった、ワンストップの搭乗手続きが可能だ。

対応可能な路線は、上海浦東空港と虹橋空港それぞれから出発する全ての国内線のほか、シンガポール、日本(東京)、韓国(済州島)、香港、マカオ、台湾への便も対応可能となっている。現在、中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空、吉祥航空、春秋航空、厦門航空、海南航空、多彩貴州航空の8つの航空会社が同ターミナルを利用しており、今後は海外の航空会社も利用する予定だ。

江蘇省蘇州市の常住人口は2022年末時点で1,200万人以上、1人当たりの域内総生産(GRP)は18万元(約360万円、1元=約20円)以上で、外資系企業も多く進出している。

こうした中、江蘇省無錫市の蘇南碩放空港も2023年5月17日、蘇州高新区に「蘇州高新区シティエアターミナル」を開設した。蘇州市における2つのシティエアターミナルの設立について、民間航空専門家の林智傑氏は「空港のない中国国内の都市の中で、蘇州市はGRPが最も高く、航空需要も非常に大きい。2つのシティエアターミナルは、長江デルタの民間航空市場の大部分をつかむことになる」と述べている。また、中国民航大学民航発展政策・法規研究センターの劉光主任は「蘇州シティエアターミナルの設立は、市民の航空便の使用を便利にさせるとともに、地域経済の発展に対しても重要な役割を果たすだろう」と説明した(「界面新聞」5月17日)。

(宋青青)

(中国)

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