政府が燃料補助金の廃止を見送りへ

(ナイジェリア)

ラゴス発

2023年05月09日

ナイジェリアのザイナブ・アフメド予算国家計画相は4月27日、国家経済委員会(NEC)の決定として、ムハンマド・ブハリ大統領の退任までに廃止するとしていたガソリンへの燃料補助金について、現段階での廃止は見送ると発表した。アフメド大臣は「燃料補助金は持続不可能で、撤廃されなければならないことを委員会は理解している。しかし、その実施は国民に与える影響を可能な限り軽減する方法で実施しなければならない」と述べた。

連邦政府は、ブハリ政権の任期終了(5月下旬)後には燃料補助金を廃止するとして、2023年度(2023年1~12月)における補助金予算は上半期分のみの計上となっていた。4月上旬には、補助金廃止による影響を緩和するため、世界銀行から8億ドルの融資を受けたと発表していた(2023年4月14日記事参照)。

今回の決定について、ラゴス商工会議所(LCCI)事務局長のチニェレ・アルモナ博士は「LCCIは長年のガソリン補助金に費やす膨大なコストと、社会インフラ整備に与える負の影響を憂慮している。燃料補助金は2023年度上半期で3兆3,600億ナイラ(約1兆80億円、1ナイラ=約0.3円)計上されているが、今回の決定で下半期分の補助金に充てる補正予算を組む必要が生じた」として、連邦政府に対して遅滞なく補助金廃止を実行するよう要請した。

(谷波拓真)

(ナイジェリア)

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