アマゾンウェブサービス、武漢市経済技術開発区と協力協定に署名

(中国)

武漢発

2023年05月26日

中国湖北省武漢市の武漢経済技術開発区(経開区)とアマゾンウェブサービス(AWS)は5月19日、協力協定に署名した。協定では、AWSの同区での新エネルギー車(NEV)や、インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)のデジタル能力開発センター設立や、産学研究交流プラットフォームの構築などについて言及している。デジタル能力開発センターでは、AWSの保有する豊富なクラウドコンピューティングの関連技術とサービスを用いて、NEVやICV分野に焦点を当てながら、スマート製造、医療健康、デジタルサービス貿易、越境ECなどの産業も活発化させ、経開区内で企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を加速させるとした。

AWSの姚驍・大中華区副総裁は「AWSは全方位のサプライチェーンを活性化させ、サービスを通じて経開区に現代産業システムを構築し、同区のNEVやICV分野での競争力向上を支援する。AWSはグローバル企業のリソースに接続し、同区内の企業の『走出去(対外進出)』をサポートし、世界トップクラスの企業と協力することで、海外ビジネスを拡大していく」と述べた。

AWSは近年、中国でDX化のサポート業務を重視し、各地にデジタル能力開発センターを設立している。近年の設立事例は次のとおり。

  • 2021年、上海市徐匯区政府と協力し、ライフヘルス産業のデジタル能力開発センターを設立。
  • 2022年、蘇州市でスマートコネクテッドデジタル能力開発センターを設立。
  • 2022年、広東省中山市政府と協力し、中山市にスマート製造とバイオ医薬のデジタル能力開発センターを設立。
  • 2022年、天津市経済技術開発区と開発し、天津市にスマート製造デジタル能力開発センターを設立。

外国自動車メーカーの投資が続く経開区

武漢市の経開区は中国内外の自動車関連企業が集積していることから、「車谷(Auto Valley)」と呼ばれている。日系ではホンダや日産自動車が東風汽車集団との合弁で工場を構えているほか、フランスや米国、韓国系の自動車関連企業なども数多く進出し、近年も工場や研究開発センターの建設や、NEVやICV分野での投資が活発に行われている。2022年に経開区はNEVやICV分野を中心とした13項目の外資プロジェクトに調印し、投資額(実行ベース)は23億3,000万ドルに上った。

同区内では自動運転などの研究開発も盛んに行われており、2022年8月から区内の一部地域で無人運転タクシーが運行されている(2022年8月17日記事参照)。

(楢橋広基)

(中国)

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