中国のアモイタングステン 、フランスでバッテリー合弁会社を2社設立

(中国、フランス)

北京発

2023年05月18日

中国のアモイタングステンは5月15日、子会社のアモイタングステン新エネルギーが、原子力関連事業を行うフランスのオラノ(2022年6月16日記事参照)の子会社と合弁で、フランスのダンケルクにバッテリーに関する合弁会社を2社設立すると発表した。合弁会社は正極材と前駆体に関するもので、アモイタングステン側の持ち分はそれぞれ51%、49%を予定している。

アモイタングステンはタングステン、レアアース、バッテリー材料などを扱い、2022年の営業収入は482億2,279万元(約9,644億5,580万円、1元=約20円)。日本、台湾、タイ、ブラジル、韓国、ドイツなどに子会社を持つ。

近年、中国のバッテリー関連企業の欧州での生産拠点設立が続いている。2022年6月には遠景科技集団傘下のバッテリー企業エンビジョンAESCが、スペイン西部エストレマドゥーラ州に車載用リチウム電池工場を建設すると発表した(2022年6月9日記事参照)。

9月には蜂巣能源科技(SVOLT)(2021年11月4日記事参照)が、ドイツのブランデンブルク州に同社にとって海外初となるバッテリーセル工場を建設すると発表。11月には中創新航科技が、ポルトガルでの工場設立に向け、現地企業とのMOU(覚書)に基づき土地使用権を購入すると発表した。12月には世界的バッテリー大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が、ドイツのチューリンゲン州でバッテリーセルの量産を開始した。2023年5月9日には恵州億緯鋰能が、ハンガリーのデブレツェンでバッテリー生産に向けた土地購入契約を締結したと発表している。

(河野円洋)

(中国、フランス)

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