JBIC、インド民間銀行GIFTシティー支店を通じ日系建機事業を支援

(インド、日本)

アーメダバード発

2023年05月12日

国際協力銀行(JBIC)とインダスインド銀行(IndusInd Bank Limited、注1)は、融資金額1億ドル(うちJBIC融資分6,000万ドル)を限度とする貸し付け契約を締結したと4月3日に発表した。同融資は、みずほ銀行、静岡銀行、常陽銀行との協調融資によるもので、JBICは民間金融機関の融資部分に対し保証を提供する。一方、インダスインド銀行がインド初の国際金融特区のGIFTシティー(2023年4月5日記事参照)に設置した支店を通じて、日系建機メーカーの現地サプライヤーやディーラーが行う製造・販売事業、日系建機の現地販売金融事業に必要な資金を融資する。

JBICによると、「インドの建機市場は、販売台数ベースで世界第3位の規模で、今後も市場拡大が見込まれている。特に、日系建機メーカーはインドの掘削用建機市場で約6割のシェアを有し、インドを重要な市場と位置付けている。今回の融資は現地サプライチェーンの強靱(きょうじん)化を支援し、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献する」ものだという。「インフラ開発に必要な建機供給を促進し、地場の中小サプライヤーなどの強化にも寄与することで、大型インフラ投資政策『PMガティ・シャクティ(Prime Minister Gati Shakti:PMGS)』(注2)の趣旨にも合致するものだ」(2023年4月19日記事2022年7月7日記事参照)としている。

GIFTシティー内の銀行拠点では、インド国内で外貨建ての長期資金調達が可能だ。GIFTシティーのタパン・レイ最高経営責任者(CEO)は「GIFTシティーは大きく成長を遂げており、グローバル企業や国内銀行が国際業務を遂行する上で好ましい目的地として浮上している」としている。また、国際金融サービスセンター・オーソリティー(IFSCA)のインジェティ・シュリニヴァス理事長は「今回の協調融資はGIFTシティーを長期資金調達の拠点としたいIFSCAの目的にも合致している」と述べている。

(注1)インドで資産規模第5位(2022年3月末時点)の地場金融機関。約3,300万人の顧客基盤を有し、国内に2,384支店・店舗を展開している。

(注2)2021年10月にナレンドラ・モディ首相が発表し、インドの長年の課題である物流インフラの効率改善を目的とした政府各省・各州政府横断型インフラ開発マスタープラン。総予算規模100兆ルピー(約160兆円、1ルピー=約1.6円)の下、数多くのインフラ開発プロジェクトが計画されている。

(古川毅彦)

(インド、日本)

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