世界銀行、バングラデシュへの総額12億5,000万ドルの融資承認

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年05月11日

世界銀行理事会は4月27日、バングラデシュ政府に対する総額12億5,000万ドルの融資の承認を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同融資は、食品安全、起業家精神の育成、気候変動への対応などを目的とした農業・農村改革の支援(通称「PARTNER」プロジェクト、5億ドル)、グリーンかつ気候変動への柔軟性を高めるための開発支援(5億ドル)、中小企業セクターをよりダイナミックで効率的かつ持続可能な成長セクターに転換するための支援(通称「SMART」プロジェクト、2億5,000万ドル)の3つのプログラムで構成される。

世界銀行は同国政府に対し、主として同行の最貧国向け基金である国際開発協会(IDA)のプログラムを通じ、バングラデシュ独立直後の1972年11月に初めて戦争からの復興支援に係る5,000万ドルの融資を行って以降、昨年までの50年間で総計400億ドルの支援(助成金、無利子ローン、譲許的条件による貸し付け)を行っている。同行によると、2022年は新たに22億5,000万ドルの支援が行われ、現時点で総計163億ドルの貸し付けが行われている状況にある。シェイク・ハシナ首相は4月25日からの訪日(2023年5月9日記事参照)後、米国を訪問して5月1日に世界銀行グループ総裁のデイビッド・マルパス氏と会談。今回の融資契約への署名と、50年間にわたる双方の協力関係を祝したとされている。

世界銀行は2023年から2027年までの4年間のバングラデシュ支援方針などをまとめた「カントリー・パートナーシップ・フレームワーク(Country Partnership Framework)」の更新(2023‐2027版の策定、注)を行っており、今回の融資決定と併せて理事会による議論がなされたとしているが、内容などはまだ公表されていない状況だ。

(注)バングラデシュでは、政府の「第8次5カ年計画PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(8th Five Year Plan)」や、「バングラデシュの展望計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Perspective Plan of Bangladesh 2021-2041、2021年8月4日地域・分析レポート参照」に係る位置づけとされている。

(山田和則)

(バングラデシュ)

ビジネス短信 78800fa585bd5fb8