インド財務相が訪日、イノベーション分野での発展を強調

(インド)

アジア大洋州課

2023年05月12日

インドのニルマラ・シタラマン財務相の「G7財務相・中央銀行総裁会議」のための訪日をとらえ、5月11日、在日インド大使館でシタラマン財務相による基調講演と日本企業との意見交換が開催された。

シタラマン財務相は、インドが新型コロナ禍の後、どのように回復し発展しているかを伝えたいとし、インド独立100周年の2047年までに目指す方向性として、2022年度(2022年4月~2023年3月)予算案(2022年2月9日記事参照)で発表した内容を中心に講演した。

同相は、今後インドが注力すべき4つの「I」から始まる分野、(1)インフラ整備(Infrastructure)、(2)投資促進(Investment)、(3)イノベーション促進(Innovation)、(4)インクルーシブ開発(Inclusive Development)について説明。特にイノベーションはインドの得意分野とし、その技術力のみならず、人口規模に合わせたスケールアップを実現したことを強調した。また新型コロナ禍において、オンライン教育の普及やワクチン接種管理・証明を行うワクチンパスポートの活用、日本のマイナンバーに相当する国民IDなどのデジタル公共インフラを活用した直接現金給付の実現(2020年4月8日記事参照)といった、同分野での発展に言及した。

このほか、人工知能(AI)研究やグリーンエネルギー開発にも高い関心があるとして、同分野の計画や進捗を報告した。

日本企業との意見交換では、インドに進出する日本企業や関係団体などから、シタラマン財務相に質問や要望が寄せられた。ジェトロからの物流インフラ開発に対する質問に対し同相は、モディ政権下で当該予算は飛躍的に拡大していることを説明。中央政府のみならず州政府にも予算を配分していることや、ラストマイルまで物流をつなげていくことの重要性を語った。

写真 講演するシタラマン財務相(ジェトロ撮影)

講演するシタラマン財務相(ジェトロ撮影)

(古屋礼子)

(インド)

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