TikTok、生成AI技術を用いたコンテンツ管理を強化

(中国)

上海発

2023年05月16日

中国系の大手動画共有アプリのTikTokは5月9日、「人工知能(AI)に関するプラットフォーム規範および提案」を発表した。

米国のスタートアップ、オープンAIが開発した「ChatGPT」など、生成AI(ジェネレーティブAI)技術の成長は著しいが、AIにより生成されたコンテンツは情報漏えいや著作権などの権利侵害を起こしやすいという問題が指摘されている。中国の国家インターネット情報弁公室は4月11日に「生成人工知能サービス管理弁法(意見募集稿)」を発表し、生成AIによるコンテンツは真実かつ正確であるべきとして、同製品・サービスを提供するものに対し虚偽情報の生成を防止する措置を求めた。また、利用者によるサービス運営者への身元情報提供、利用者の苦情受け付けの仕組み構築が義務化された(2023年4月13日記事参照)。TikTokによる今回の提案は、上記規定に基づき制定された。

その内容は、TikTokにおける生成AIの技術活用に関する基本事項ほか、クリエイター、ユーザー、広告主、その他プラットフォームへの参加者が順守すべき規範の制定、プラットフォームの管理者が提供する技術的機能などについて明記している。

TikTokで生成AI技術を利用する際、特に留意すべき点を次のように示した。

  • 投稿するコンテンツは、仮想空間によるものか事実に基づく内容であるか区別できるよう、分かりやすく標識を付けること。
  • AIによって生成された投稿でも、投稿者が内容の全責任を担うこと。
  • バーチャルヒューマンでもユーザー登録が必須で、バーチャルヒューマン技術を利用する際には実名での登録を要求する。
  • 生成AI技術を利用した肖像権、知的財産権などの権利を侵害するコンテンツの投稿および科学的な根拠がない内容やデマの拡散を禁止する。投稿した場合、TikTokが厳しく処罰する。

(龐婷婷)

(中国)

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