iPhoneサプライヤーがインド南部で生産拡大

(インド、台湾)

チェンナイ発

2023年05月22日

台湾系EMS大手のフォックスコン、ペガトロン、ウィストロンの3社は、最新機種iPhone14をはじめ複数機種のiPhoneをインド南部タミル・ナドゥ(TN)州とカルナータカ州で生産している。

フォックスコンの工場は、TN州チェンナイ近郊スリペルンブドゥール工業団地(2022年10月6日記事参照)に立地。2022年9月にiPhone14の生産を開始した。現在3万5,000人以上が雇用され、2022年度(2022年4月~2023年3月)に3,000億ルピー(約4,800億円、1ルピー=約1.6円)相当のiPhoneを生産。半分の1,500億ルピー相当分を輸出した(「ファイナンシャル・エクスプレス」紙2023年4月21日)。チェンナイ近郊の工場拡張が現在進行中で、研究開発拠点や新工場設立の計画もある(注)。

ペガトロンの工場は、TN州チェンナイ近郊マヒンドラ・ワールド・シティ工業団地(2022年12月2日記事参照)に立地する。2022年9月にiPhoneを生産開始し、iPhone14の生産を同年11月から開始した。操業開始時点では、投資規模110億ルピー、雇用予定人数は1万4,000人と報じられた。

ウィストロンの工場は、カルナータカ州ベンガルール近郊のピニア工業団地とナラサプラ工業団地(2018年8月7日記事参照)に立地、約1万人の従業員が雇用されている(「ビジネス・スタンダード」紙2023年4月19日)。同工場については、タタ・グループによる買収の可能性が報じられている。同グループ傘下のタタ・エレクトロニクスは、ベンガルールから近いTN州北西部クリシュナギリ県ホスールの電子機器工場を630億ルピー規模で拡張する計画が報じられている(注)。地場企業として初のiPhone生産に向けて、タタ・グループが準備を進めているとみられる。

2022年度はインドで70億ドル相当額のiPhoneが生産され、うち50億ドル相当額が輸出されている。同年度の携帯電話輸出額は112億ドルとみられることから(2023年4月26日記事参照)、輸出された携帯電話(金額ベース)のうち約44%をiPhoneが占めた計算になる。

(注)2023年5月11日時点。

(浜崎翔太)

(インド、台湾)

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